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116 私とヴィクターの特殊能力?

あけましておめでとうございます

本年もよろしくお願いします(^^♪

朝の眩しい光が、カーテンの開かれた窓越しにサンサンと降り注いでくる。



(絶対寝られないと思ってたのに…どんだけ神経太いの?私…)



ついさっきまで細く輝く三日月を見上げていたと思ったのに、気がつけばサンサンと輝く朝日が私の顔に照り付けている。


寝ぼけ眼をこすりながらベッドから起き上がると脳に酸素を送ろうと大きなあくびが一つ出る。すると、



ぎゅるるるる…。



エサを求めて騒ぎ出す私の元気なお腹の虫たち…。



「どんなに悩んでたってお腹は減るのよね。さすが私の腹の虫」



それにしても最近妙にお腹が減る。朝からなんだけどチョコレート食べたい。



「疲れてるのかな…」



私はいつも通り身支度を整えると部屋を後にした。








「ステラ」



逃げ回る事に意味を感じなくなった私がカフェでランチを取っていると、久しぶりにヴィクター様に声をかけられた。



「あうぇ?おふぃさしぶりでふ…、ヴィクファーふぁふぁ…」



ちょうど口に詰め込んだばかりのステーキ肉が邪魔をしてうまくしゃべれない。



「すまないな、食事中に邪魔をして…」


「ふぇんふぇんふぁいひょうふへふ。ふぉへへ、はんへふ?」


「ああ、エリオット殿下にお前を呼んでくるように言われたので迎えにきた。シンディ嬢とセシリア嬢も一緒でかまわないそうだ」


「ほひはへ?」


「サロンだ。食べ終わってからでいい」


「はほん?!」


「何か問題でも?」


「ひえ…ほうへはあひはへんは…」


「では、ここで待たせてもらおう」




もぐもぐ、もぐもぐ、もぐもぐ……ごくん。




「はぁ、おいしい!!」



ようやく飲み込めたお肉。ちょっと頬張り過ぎたかな。



「…どうしたの?二人とも」



ポカンと口を開けたまま私を見つめるシンディとセシリアに首を傾げる。



「……いや、さっきのあれでよく会話が成立したなと思って」


「ええ。私にはステラが何を言ってるのかさっぱりわかりませんでしたわ。ヴィクター様の特殊能力でしょうか」



椅子に腰かけたヴィクター様がちらっとこちらに目線を寄越した。



「あいにくそんな能力は持ち合わせていないが?」



真面目な顔でそう答える。



「そう言えば、ヴィクター様にもこのところお会いしませんでしたね。お忙しいんですか?」



私は付け合わせのマッシュポテトをフォークの腹に乗せて口に運んだ。

ヴィクター様は長い脚を組み替えると、持っていたお茶のカップを静かに置く。



「まもなく卒業だからな。卒業に必要な単位はすべて取得したので、本来なら学園に顔を出す必要ないんだが…。今日のようにエリオット殿下に呼びだされる事も少なくはないので、昼まではこうして登校を余儀なくされている」


「それは…ご苦労様です」



そうだよね。逆らえないもんね。



「ヴィクター様は卒業したらどうなさるんです?」



公爵を継ぐにはまだ早いだろうし、そもそも就職活動とかしない貴族って、学校を卒業したあとどうするんだろう?



「しばらくは家門の事業を引き継ぎながら、殿下の補佐をすることになるだろう」


「殿下の補佐…って事は将来的には宰相になるんですか?」


「いや…宰相の地位は歴代、アドラム家が世襲している。時期宰相は嫡男のバーナードが継ぐことになるだろう」


「バーナード サマ デスカ」



当たり前だけど、全く知らない。つい棒読みになってしまう。



「バーナードは今年でまだ14歳だ。知らなくて当然だろう」



14歳って事はルーカスと同い年か。



「普段大人しくて何を考えているのかわからないが優秀ではある。まあ、現宰相のパイロン公もまだお若いし交代は当分先の話になるだろうな」


「パイロン=アドラム宰相…」



ルーカスの言っていた言葉が耳によみがえる。



「あの、アドラム宰相が王妃派だって話を耳にしたんですけど、王妃派って事は別の派閥もあるんですか?そう言うのあまり詳しくなくて…」



その言葉にヴィクター様が眉をひそめた。



「お前の交友関係の中でそんな話題が出るとは思えないが…、なぜそんな話に興味をもつ?」



おっと…?これはあまり触れてはいけない話だったのかな?



「いえ…たまたま街でそんな話をしていた紳士がいたので…。それにエリオット様とお話しした時も王妃様が付けた護衛を監視とおっしゃっていたのでちょっと気になって…」


「あいつ…誰かに聞かれたらどうするつもりだ、余計な事を…」



ブツブツと呟くヴィクター様の言葉は聞き取れなかったけれどイライラしているのはわかった。



「まあ、派閥があるのは確かだ…。あくまで水面下での話ではあるがな…」



ヴィクター様は温くなってしまっただろうカップに口をつけると唇を湿らせ、静かに話し始めた。


本日も最後まで読んでいただきありがとうございました。


最近スマホから読んでいただいている方が増えている事に気がつきまして

行間を広く取ってみました。

こっちの方が読みやすいですかね?どうでしょうか…?

読みにくいようでしたら戻しますので参考にさせてください。


次回117話は明日19時頃更新予定です。

明日もどうぞよろしくお願いします(^^♪


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