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異世界転移したら飼っていた犬が最強になりました~最強と言われるシルバーフェンリルと俺がギフトで異世界暮らしを始めたら~【Web版】  作者: 龍央


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1864/2012

お婆さんの家にも犬がいました



「クゥーン、キューン……」

「心配してくれたのかい? ありがとうねぇ」


 鳴き声を上げつつ、お婆さんの足元にすり寄ったのはダックスフント……に見える特徴のある胴長短足の垂れ耳。

 だけど少し違う部分もあるようだから、ミックス犬なのかもしれない。

 そのすり寄って来た犬を抱き上げ、優しそうに微笑んで撫でるお婆さん。

 犬の方も心配そうにしていたけど、お婆さんに撫でられて尻尾を振っているし、よく懐いている様子だな。


 ちなみにこの世界では、細かい犬種の分け方は結構適当らしく、犬種名を呼ぶ事もあればひとまとめにただ犬とだけ呼ぶ事もある、というか後者の方が多いらしい。

 血統書などもないようで、色んな種類が混じっていたりもするので割と大らかというか、厳密には色々と決められていない事が多いとか。

 そういえば今更だが、この村の犬は全てユートさんが連れて来たらしいけど……いったいどこから連れて来たんだろう?

 ラクトスでは野良犬を始め、犬自体見た事がないし。


 まぁ、探せば飼っている家もあるのかもしれないが、外では見た事がない。

 ラーレがコッカー達を連れて来た時のように、どこかから攫って来たのではないといいけど……。


「すみませんねぇ、タクミ様。タクミ様が来る事になっていたので、この子は奥で待っているように言っていたのですが……」

「いえいえ、仲良くやっているのを見れて良かったですよ。君も、お婆さんの事が好きなんだなぁ」

「ワン!」


 指先を嗅がせるように鼻に近付けながら話しかけると、返事をするように鳴く犬。

 よく知らない人がいきなり撫でたら、犬も警戒してしまうと思ったんだが……鳴いた後は俺の指先をオペロリとひと舐め。

 人懐っこいのもあるんだろうが、賢いな、返事もしたし。


「ジョシュアも、タクミ様の事が好きみたいですね」

「ジョシュア……」


 犬の名前なんだろうけど、大層な名前が付いているなぁ……まぁ雌なのにレオと名付けるよりは全然マシだろう。


「ワン、キャン!」

「おっとと、どうしたんだいジョシュア?」

「クゥーン……」

「ははは、よしよし」


 鳴いて、お婆さんの腕の中から飛び出すジョシュア……ちゃん、かな? それとも君かな?

 その子が俺の足元へとすり寄ってきたので、笑いながら撫でてやると、甘えるように頭を擦り付けて来る。

 ……甘え慣れている子だなぁ。


「ハッハッハッハ!」

「んー? よっと!」


 さらにパンティングしながら、後ろ脚立ちをして前足で俺の足におねだりをされたので、抱き上げてみる。

 撫でられるだけじゃ満足できなかったらしい。

 お婆さんの様子からもわかるけど、結構甘やかされているっぽいな。

 ちなみに抱き上げる時に確認したが、ジョシュアちゃんの方だった。


「ライラさんも撫でてみますか? レオやシェリー、フェンリル達と違ってこちらもいいものですよ?」

「では失礼して……」

「ウゥゥゥゥゥ……」

「これジョシュア! すみません、ジョシュアは結構人見知りするようで……」


 ライラさんがおずおずと手を近づけるのを見て、ジョシュアちゃんは歯を剥き出しにして唸った。

 お婆さんが注意しているけど……人懐っこいと思ったのに、実は人見知りをする子だったのか?


「いえ、気にしていません。どうやら私は、旦那様のようにすぐ懐かれる事がないようで」

「そうなんですか?」

「はい。時折村に出た際に接する機会があったのですが……」


 ライラさんによると、村にいる犬には近付くとジョシュアちゃんのように、よく唸られて警戒されるらしい。

 それでも、何度か試しているうちに犬の方も慣れて、撫でさせてもらえる子も増えたらしいけど……だから今、おずおずと手を近づけていたのか。

 いつものライラさんらしくないな、とは少し思っていた。


「んー……多分ですけど」


 もしかすると、と少しだけ思い当たる節があったのでそれをライラさんにやんわりと伝える。

 俺やクレアのように、ライラさんと接し慣れている人なら問題ないけど、基本的に無表情に近い人だからな。

 犬は人間の笑顔などをよく見ているという話も聞くし、表情が固くて警戒してしまったのかもしれない。

 試しに、ライラさんが少し不慣れながらも笑顔で……ライラさん曰く、俺やリーザ、レオがじゃれ合っている場面を思い浮かべたらしくて少し恥ずかしいが……。

 とにかく朗らかと言えるくらいの表情で近付くと、今度はジョシュアちゃんも警戒せず、撫でられてご満悦な様子になった。


「……次からは、表情に気を付けて近付くようにいたします」

「そうですね。けど、また表情が固くなっていますよ?」

「……少し、難しいですね」


 意気込みは伝わって来るんだけど、平常時が無表情に近いライラさんなので、すぐに固いように見える表情に戻ってしまう。

 もう少し、練習というか慣れが必要なのかもしれない。

 ともあれ、ジョシュアちゃんのおかげで和やかな雰囲気になった後、しばしお婆さんと雑談。

 というか俺が聞きたいと思っていた評判というか……フェンリル達が大量にいる事などについてを聞きつつ、体調確認。


「そろそろ、痛みなどはなくなったでしょうか? まだ万全な状態とは言えないので、このまま痛みがなくてももう一度、次の食後に薬を飲んでおいた方がいいと思いますが」

「タクミ様と、ライラさんでしたか。それとジョシュアちゃんのおかげで痛みはもうすっかり。ですが、わかりました。治ったと安心せず、タクミ様の言われた通りに」

「念のためではありますけどね。痛みがなくなったからと、それで治ったと勘違いする人もいるみたいなので」


 薬に痛み止めの効果もあるから、効果を発揮して痛みがなくなったため完治した、と思う人は多い。

 けど実際はまだ万全じゃなく、体は治そうと頑張っているなんて事もあるからな。

 それと、フェンリル達に関してはお婆さんを含めて村の人達は、最初こそ驚いものの今では受け入れてくれているとの事だ。


 子供達と遊んでいるのをよく見かけるのが大きかったと見えるが、その中でも大きなフェンリルがちゃんと子供達に合わせて力加減をしているのを感じて、優しいのだと皆に伝わったらしい。

 レオが見てくれている安心感、というのもあったみたいだけどな――。




読んで下さった方、皆様に感謝を。


別作品も連載投稿しております。

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面白いな、続きが読みたいな、と思われた方はページ下部から評価の方をお願いします。

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■7巻書影■mclzc7335mw83zqpg1o41o7ggi3d_rj1_15y_1no_fpwq.jpg


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神とモフモフ(ドラゴン)と異世界転移


完結しました!
勇者パーティを追放された万能勇者、魔王のもとで働く事を決意する~おかしな魔王とおかしな部下と管理職~

申し訳ありません、更新停止中です。
夫婦で異世界召喚されたので魔王の味方をしたら小さな女の子でした~身体強化(極限)と全魔法反射でのんびり魔界を満喫~


― 新着の感想 ―
いいね、駆け出しの薬師になってきた感じ。
[良い点] 犬というのは可愛いですね。癒される気持ちは分かります!
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