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異世界転移したら飼っていた犬が最強になりました~最強と言われるシルバーフェンリルと俺がギフトで異世界暮らしを始めたら~【Web版】  作者: 龍央


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154/2006

ラモギ栽培と魔法の練習をしました



「タクミさん、お疲れですか? あまり無理はなさらない方が……」

「あぁ、大丈夫ですよ。昨夜レオと遊んでて、ちょっと寝不足なだけですから」


 朝食を取りながら、クレアさんに心配された。

 ティルラちゃんにも同じように言われたけど、自分では顔に出してないつもりでも、何となくわかるものなのかもしれない。

 ……後で、疲労回復の薬草を食べておこうと思う。


「明日はランジ村へ出発でしたよね?」 

「はい。今日中に薬草を用意して、レオに乗って出発します」

「わかりました」


 朝食後は、一応予定の確認。

 裏庭へと向かう前に、クレアさんからラモギ値下げの件と報酬について謝られた。

 値下げはともかく、報酬については俺が自分で言いだした事なんだから、気にしなくても良いのになぁ。


「……よし、今日はちょっとだけ無理をしよう」

「あまり無理をなさっては……」


 疲労回復の薬草も食べ、寝不足も解消して午前の鍛錬も終えて、裏庭の隅へ移動しながら呟いた。

 俺の呟きを聞いたライラさんから、心配そうに声を掛けられる。

 ミリナちゃんも、俺の後に付いてきながら、心配そうな表情だ……誰かから、ギフトの過剰使用で倒れる事を聞いたのかもしれないな。


「大丈夫ですよ。ここ最近のギフト使用で、どれだけ使えるか何となくわかって来ましたから」

「……そうですか……ですが、倒れないように気を付けて下さいね」

「はい。心配してくれてありがとうございます」


 ライラさんにお礼を言いながら、いつも『雑草栽培』を使う時に使う場所へ着く。

 この場所、もう薬草専用の場所になってる気がするな……まぁ、使わせてもらうんだから、ありがたく使おう。

 ここしばらくの薬草作りで、何となくギフトがどれだけ使えるかわかって来た部分がある。

 とは言え、はっきりこれだけ使ったら倒れるとまでじゃないんだけどな。

 ラモギの値下げもあるから、重点的に作るため量を多めにするだけだ。


「じゃあ、ミリナちゃん。頼むよ」

「はい、わかりました!」


 『雑草栽培』を使って、薬草を作りながらミリナちゃんに雑用を頼む。

 作った薬草を摘むことから、状態変化させた物を包むまで……段々と慣れて来てるようで、作業速度は最初よりも大分早くなってる。

 途中、昼食の休憩を挟んで、ひたすら薬草を作り続ける。


「タクミ様……これ以上は……」

「んーもう少し作りたいんですけどね……とりあえず、休憩しましょうか。ミリナちゃんも、お疲れ様」

「師匠に比べたら、私は全然……」

 

 俺が薬草作りに集中してると、心配したライラさんに止められた。

 考えてた数にはまだ届かないから、休憩を挟んでまた作業をするつもりだけどな。

 ミリナちゃんをねぎらいつつ、ライラさんが用意してくれたお茶を飲みながら一息つく。


「そうだ、魔法の練習もしておかないとな」

「師匠は魔法も使えるんですか!?」

「まぁ、習ったばっかりで、まだまだ初心者だけどね」

「ギフトにレオ様……それに剣と魔法……やっぱり師匠は凄いです!」


 レオは拾って育てただけだし、ギフトは何故使えるかわからない能力だ。

 剣も魔法も、始めたばかりでミリナちゃんの言うように凄いとか、尊敬される程じゃないんだけどなぁ。


「ふぅ……いつも美味しいお茶をありがとうございます」

「喜んで頂けているようで、何よりでございます」

「ライラさんは凄いですね……私もこんなお茶を淹れられるように頑張ります」


 ライラさんを始め、この屋敷で淹れられたお茶は本当に美味しい。

 淹れ方なのか茶葉が良いのかはわからないが、このお茶を飲んでると本当に落ち着くな。

 疲労回復の薬草より、疲れに良い気までして来るから不思議だ。

 ミリナちゃんも、同じように淹れられるようになれば嬉しい。


「見習いとは言え、その辺りはきっちり教えますからね。安心しなさい、ミリナ」

「はい、頑張って覚えます」

「手順を覚えれば簡単ですけどね。あとは、気持ち次第です」

「気持ちですか?」


 ライラさんが簡単にお茶の入れ方講座を始めた。

 飲む人の事を考えるとか、ポットのための一杯云々。

 俺はそれを聞き流しながら、鍛錬をするティルラちゃんと、シェリーを乗せながら楽しそうに走り回るレオを眺めてしばしの休憩をした。


「んー、とりあえず先に魔法の練習をするか」


 ライラさんの紅茶講座も終わり、休憩を終えた俺は立ち上がって呟く。


「薬草の方はもう良いんですか?」

「ギフトの連続使用は危険みたいだからね。ミリナちゃんは暇になるだろうけど……」

「いえ、魔法を使う所を見るだけでも楽しそうです」


 ミリナちゃんと話しながら、まずは昨日セバスチャンさんから教わった魔法の使い方のおさらい。

 体の魔力を感じるように意識を向け、仄かに温かい場所を探る。

 そこから移動させて、手に魔力を集めて使用。


「ライトエレメンタル・シャイン」


 手のひらには、昨日と同じように眩しい光を放つ球が出来上がる。


「よし、問題なく使えるな」

「ちょっと眩しいですね。魔法を使える師匠は凄いです」

「ははは、まだ使えるのはこの魔法だけなんだけどね」


 それから何度か、魔力を感知する事から呪文の詠唱、発動までを繰り返す。

 試す中で気付いたが、初歩の魔法だからなのか、少ない魔力でも発動するみたいだ。

 ゲルダさんが昼食のために呼びに来てくれるまで、魔法の練習を続けた。


 まとめると、シャインと呼ばれる魔法は、魔力が少なくても発動する。

 魔力の移動を少なくする事で素早く発動が出来る。

 必要魔力量の多い魔法だと難しいが、シャイン程度ならほとんど意識せずに魔力を集中させる事で、呪文を使いながら魔力を移動させ、発動させることが出来る。

 戦闘中だと、一瞬の隙が出来てしまう可能性もあるが、慣れてくれば敵の意表を突くために使う事が出来る。

 簡単な魔法で応用が効くからこそ、セバスチャンさんは俺にこの魔法を教えたんだと思う。


 昼食のため、食堂へ向かいながら練習した魔法の事を考えていた。

 ミリナちゃんは魔法自体が珍しいのか、退屈そうにするそぶりも無くずっと俺が発動させる魔法を見ていた。

 初歩の魔法でも楽しそうに見ているミリナちゃんを見て、ちょっとだけ鼻が高くなる気分だ。




読んで下さった方、皆様に感謝を。


別作品も連載投稿しております。

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面白いな、続きが読みたいな、と思われた方はブックマークを是非お願い致します。


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神とモフモフ(ドラゴン)と異世界転移


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