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かまくらいふ!  作者: 岩越透香
夜霧と愉快な仲間たち

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7 作戦会議②

 後ろには少し崩れた壁に寄りかかる和歌子と構えているシュウ、前には狭い室内で薙刀を振り回そうとしている巴がいる。ケインは壁際で私たち四人の様子を伺っていて、つっきーは部屋の隅で息を殺して隠れている。


 殺したら良くないから狙うのは気絶。宿の部屋はいくら壊してもチェックアウトすれば元に戻るから安心して戦える。


「ケイン! シュウを止めて!」

「無茶言うな! つーか夜霧が巴止めなきゃ勝手に止まってただろ!」

「この宿を事故物件にはできない!」

「もうなってる!」

私とケインの掛け合いの最中にも関わらず、攻撃を仕掛けてくる。話している間は待つという暗黙のルールは鎌倉には存在しない。


 最小限の動きで避け、薙刀の柄ごと巴の腕を掴む。彼女を引き寄せ、もう片方の手も握る。武器を出せないようにするために、恋人繋ぎと呼ばれる繋ぎ方を使う。


「よ、夜霧……さ……」

驚きか怒りか、固まっている彼女の腹に膝蹴りを食らわす。無防備な所に攻撃をすると一瞬操作不能になるため、その隙を利用して拘束する。


「シュウたちは……」

「ふ、伏せて!」

ケインの声で慌てて頭を低くすると、爆発音のようなものが聞こえてきた。


「まだ、耐えますか……!」

「なんで扇子から爆発物が出てくるんだ……」

煙の中から現れたのはシュウと和歌子。爆発のおかげでシュウと距離を取れた和歌子が有利かと思えば違うようだ。和歌子は扇をシュウは拳を構えた状態のまま、相手の出方を伺っていた。


「この距離なのになんで仕掛けないんだろう」

「遠心力で爆発物を飛ばしていたから、もう玉がないんじゃないか?」

「……そう。あれは一度限りの技。短刀は隠し持っているだろうけど、シュウ相手だと通じない」

疑問を呟くとケインと巴が答えてくれた。


「でも、あの人女性プレイヤーだろ? なんでシュウに力負けしてないんだ?」

「あれは限りなく女性に近づけているだけで素体は男性だから。女性プレイヤーぽくしていると油断を誘えるんだとか」

「まじか……。騙されたのはAsahi以来だな」

「あの人のプレイヤーキャラは女性。そうじゃなくて」

どうやら、女装している男性プレイヤーらしい。女性として見ると身長は高めだし、体のラインを隠すような服を着ているのもそのためなのかもしれない。とりあえず、現実の性別は知らないが和歌子は男性だと覚えておこう。


「こんなことなら復活地点更新しとけば良かった……」

ぼやきながらYuraが現れる。彼の姿を見たシュウが残念そうに拳を下ろすが、和歌子はチャンスと思ったのか扇を振り上げながらシュウのもとへ向かった。

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