3 スコア
「勝利方法も説明しないとな。二つあって、一つは相手の軍長と副軍長を落とすこと。俺と夜霧が死んだら負けってことだな。もう一つは勝利点を相手より多く取ること。これは敵拠点を落としたり、プレイヤーを倒すと手に入るぞ」
大将だから攻めに行きにくいとも思ったけど、二人で引きこもるのもそれはそれで危ないため、逆に攻めるのもありかもしれない。私に指揮力はないから、落ちても保険がなくなるだけだ。
「あと、説明すべきはスコアの稼ぎ方とスコアの使い道だな。スコアはプレイしてたら普通に稼げるから気にすんな。一応メールから細かい加点基準が書いてあるから気になったら読めばいい。使い道はスキルと配置券があるんだが、スキル全振りで良いと思う、楽しいから」
「楽しい?」
「スキルはいっぱい使いたいし、戦闘場所はランダムの方が楽しいだろ? 相手の得意な地形になるってデメリットはあるが」
「せんせー。配置券を貰ったチームが被ったらどうなるんですかー?」
「配置券は好きなようにスコアを割り振れるんだ。より多くのスコアを注ぎ込んだ方に決定権が行く。同数だったら全地形からランダムで決まるぞ」
選ぶスキルとスコアをどれだけ配置に費やすかという所から戦いは始まっているのか。スキルは時間がある時に経験者たちに話を聞きながらみんなで決めたら良いかな。
「最後に一つ、提案してもいいか?」
たいさが小さく手を挙げる。彼に発言を促すと、地図のようなものを取り出しながら言った。
「連携強化とスコア稼ぎを兼ねてダンジョンに行かないか?」
「ダンジョン……?」
オフライン版にない概念だったため聞き返す。どうやら、人形ではない敵が現れる特別マップらしい。シュウやケインはダンジョンという単語だけで伝わったらしい。
「全部で三つあるんだが、入るのに対応した地図が必要で面倒な上、簡潔に言えば……面白くなかったんだ。だから、三つ目の追加で終わったし知名度もないんだ」
「面白くないというか、今までの戦法が通じないから嫌というか……」
「運営は諦めきれないのか、こういう時に推してくるんだよな」
ダンジョン追加当時からいるというプレイヤーたちが口々に非難する。ここまで言われると尻込みしてしまうが、「一回くらいはやってみろ」とダンジョン内へ連れ込まれてしまった。




