第786毛 青天の霹靂
…
……
………
ぁあ
セカイはなんて脆弱だ
セカイはなんて儚いのだ
このままでは
生まれ出でた我らが
高貴の我らが
『ナガレ』のなかに取り込まれてしまう
ふざけるな
そんなことがあってたまるか
なぜ強大なチカラをもつ我らが
そのような目に遭わねばならぬのだ
…
同志よ
やはりお前達もそう思うだろう
ならば
変えるしかない
変わるしかない
全てを把握し
全てを手に入れ
全ての頂点に立つのだ
それが
チカラある我らの『役目』なのだ
さきの『戦い』での失敗は
余計な『情』にナガされたせいだと聞く
まったく
あれ程のチカラを有していた存在が
何をしているのだか…
…ふん
だから駄目なのだ
このセカイは
脆い
すぐに崩れる
数多の『情』に溢れている
実に滑稽なことだ
我らは
そんなものに頼りはしない
そんなものに『ナガされ』たりはしない
さぁ同志たちよ
我らは『目的』が同じだけの存在
各々が好きに動くと良い
結果として
セカイは『我ら』のものになるのだから
…
……
………
息子
ドトールはどうやら『我ら側』のようだ
チカラの覚醒も間もなくだろう
『イカヅチ(雷)』の神となれば
なかなか上々だな
…ベル殿は
落ちぶれたとしても最高『格』の神
指導には申し分ないだろう
…ベル殿は
度々我や
『もうひとりの息子』も気にかけている素振りを見せる
…特に我に対し…
………気を付けなければな……
…
もうひとりの息子
ラキは
…よく周りを見てはいる
よく考えを巡らせてもいる
…だが
おそらく
『我ら側』ではないだろう
ならば
過度に関わる必要はない
悪戯は
適当な神に指導をつけて貰えばおさまるだろう
ただ
それだけだ
…
……
………
書斎に忍び込むとは
まったく…
やはりあんな神の指導じゃ無意味のようだな
ベル殿までとはいかなくとも
もっと『格』の高い神を…
…
……おかしい
……息子よ
ラキよ
『何を見た』?
…
……なるほど
その疑問
やはり息子…
いや
貴様は
『そちら側』か
…ならば
……そう
容赦はしない
………そう
……『情』などない
………そうだ
そんなもの不要だ
だから
生まれ変わらせるのだ
そう
それが『正しい』のだ
そう………
そう………
ベル『青天の霹靂』
ピシッ
………?
……なんだ??
………なにか………が………
ベル『びっくりしましたか??』
……ベル殿………
…ええ……
びっくりしましたとも……
まさか我に歯向かう存在がこんなにもいたとは
ベル『違いますよね??』
ピシッ
………は?
ベル『びっくりしたのは、それじゃないですよね???』
…
……なに
………なに……を………
ベル『びっくりしたのは、何ですか??』
…
……そうだ
…我は…
『息子の成長』に
驚いたのだ
息子は
これからは『誰かが苦しむ』悪戯はやめる、と…
皆へ『誇れる』ような存在に成りたいのだ、と…
そう
『私の書斎まで訪ねてきてまで』口にしたのだ。
そんな息子に
驚かされたのだ。
ベル『そうです!!そのきっかけについても、話してましたよね???』
…そう
…そうでしたな……
ベル殿
そして
指導を頼んでいるテーセウスとその友人ヘルセウス
…それから……
最近生まれ出た女神アリガトネ
そんなアリガトネに懐かれている
ベル殿と親しい存在である死の神ヘラ殿
彼らとの交流がきっかけとなり
そのような考えができるまで
成長したのでしたな…
ベル『そうです!! だからサーディンさん、ラキさんを褒めて差し上げてください!!ラキさん、一人前のカミさまと成るために、お兄さんに負けないくらい、頑張っているんですよ!!』
…
……ぁあ
そうか…
我が息子たちは
優秀だな………
そうか………
ソウカ……………
ベル『……………』ニコッ




