第779毛 記録者ジャック・サンセイによる抜粋 天気の書
---- --- より
一部を抜粋
黒猫ベル「すみません!!ベルです!!いらっしゃいますか?? 『サーディン』さん」コンコンッ
ベルの声を聴き
僅か
ほんの僅かに
ラキの父親
サーディン・オイル・スターバンクスの『圧』が和らぐ。
しかし以前として
ラキにとっては『息が詰まる』ほどの圧が
父から子へ向けられ続ける。
サーディン「……ベル殿。暫し待ってはくれないか? …今、少々『取り込み中』でな」
ラキ「!!」
限りなく『優しい』
否
優しさを偽った
そんな声色で
ベルへと声をかけるサーディン。
ベル「そうなのですね!!ごめんなさい!!…ただ、なんだか『雲行きが怪しい』と思いまして…」
サーディン「!!」
ラキ「………(く、雲行き……??)」
ベル「開けてくれませんか? サーディンさん」
……
遡り
ヘラ〚…ベル〛
ベル〚はい!!〛
ヘラ〚…あなた…今、どのくらい『かつてのチカラ』を使えるの??〛
ベル〚え? あっ、はい……ええと………〛
ベル〚ヘラ様や皆様も御存知の通り、私は元『天候を司るカミ』です。天候、というのは、天気…『天』の『気』です。つまり、このセカイに流れる『気』全般に関わっていました〛
ヘルセ〚……ぉお……やはり規模が桁違いですね……〛
ティー〚さすがはベル様…〛
ヒルデ〚……(ベル、嬉しそう…)……〛
ベル〚い、いえ……/// …ただ、色々ありまして、天気を『操る』チカラの殆どは私から抜け、『ナガレ』て行きました。そのため、例えばドトールさんみたいに『イカヅチ(雷)を操る』とかはできません。…ただ、まだ少しのチカラと、あと…『感じる』ことはできます〛
ヘルセ〚感じる、ですか??〛
ベル〚はい。よく私が感じるのは、関わらせていただいている御方や空間、場における『雰囲気』についてです〛
ヘラ〚!!〛
ティー〚雰囲気、ですか??〛
ベル〚はい。わかりやすいところでいうと、『雲行きが怪しい』とき、『霧が晴れる』とき…要するに、『気の流れ』を感じ取ることができるんです〛
ヘルセ〚………な、なるほど………〛
ティー〚……とてつもないですね…〛
ヘラ〚やはり、そのチカラは残っていた……。なら、ベル〛
ベル〚あっ、はい!!〛
ヘラ〚…ラキの……もっと言えば『スターバンクス一族』の『雲行きが怪しい』と感じたら、すぐに駆けつけなさい。…あなたと、ヘブンヒルデで〛
ヒルデ〚!! わ、私もですか??〛
ヘラ〚そう。……ヘブンヒルデ〛
ヒルデ〚は、はい!!〛
ヘラ〚……ラキの『影踏み』をしてくれる?〛
…
サーディン「……雲行き……と……」
ベル「はい!!『気』のナガレが良くないと思います。…サーディンさん、開けてくれませんか?」
サーディン「……………」
サーディンが逡巡する。
それにより
一瞬
サーディンの『気』が
息子からそれる。
それを
ベルは感じ取る。
シャンッ
ベル「!!〚今ですヒルデ!!〛」
ユラ…
サーディン「!!」バッ
扉の向こう側のベルに『気』をとられていたサーディンが
息子の
否
息子の『影』を注視する。
陽光がさしこみ
大きく形を成している『影』のなか
『影送り』
ラキ「!!」ビクッ
ズズズズズズ…
ラキの『影』のなかから
ナルキューレ(戦乙女)が一柱
ヘブンヒルデが現れ
ラキを優しく抱きとめた。
サーディン「………なるほど……計ったか」
ヒルデ「………」スッ
カチャ
サーディンから視線を外さずに
ヒルデは扉の鍵を回す。
ギィ…
ベル「…ん〜………ヨイショ…ヨイショ…」アセアセ…
シャンッ
シャンッ
開いた扉を懸命にアタマで押し
黒猫ベルも入室する。
ベル「ラキさん!! ご無事ですか!?」
ラキ「……ベルさん……ヒルデさん………」
ヒルデ「…おそらく、間に合ったかと。…良かった………」ホッ
サーディン「………ベル殿はともかく…ナルキューレ如きが、何をしにきたのだ??」ズ…
ヒルデ「!!」
サーディンが
2名+1匹に向かい
『圧』を発する。
ヒルデ「ック……(すごい圧力……ラキさんは……これに耐えて………)」
ヒルデは
ラキを庇うように抱き締め
圧を全身で受け止め…
トテテテテ…
ピョーーーーーーーン
ヒルデ&ラキ「「!!!?」」
黒い獣が
宙を舞う。
ピトッ
サーディン「!!!!なっ………」
黒猫ベル「サーディンさん!!どうしちゃったんですか?? おっかない顔しちゃダメですよ!!」ヒシッ
ケダモノは
荒ぶるカミの左肩にしがみついた。
心配で見守っているヘラ「……………またあの子は……………」




