第764毛 論じる/重んじる
……
………
『情』は嫌いだ
『縁』はキライだ
それは
時として矛になり
時として盾になる。
ただし
道理は必ずしもくっついてくる訳ではない。
『信じてたのに』
『頼りにしていたのに』
感情は
一方的でも成り立つもの。
だから勝手に
裏切っただの
騙されただの
情緒不安定で騒ぎまくる。
不愉快
実に不愉快だ
見返りを求めないなんて
『情』に動かされている以上
有り得ない。
…
研究者が
『有り得ない』を軽々しく言うものではないが
それでも
有り得ることではない。
勝手な信用
勝手な期待
勝手な手助け
全ていらない。
見たくもない。
ただ
ただただボクは
ボクの為に………
例えそれが
誰かの為になっても
誰かの為にならなくても
…
知ったことでは
…ない
オロロ「………仮に、ジャーとウー(ウサギ。エリザベスのこと)、どちらかしか救えないとしたら、キミはどうする?」
エルター「!!え!?」
ヴィオレ「!!」
ス「! ………」
シャカ「……………」
ヘラ「……………」
オロロは『冷めた』目で
エルターを見つめる。
どうせキミはまた
ワタワタしながら決めあぐねるだろう
愚かだ
そんなことでも言いたげな目で。
エルター「え…え?? そんなこと、起こさせないよ」キョトン
ヴィ「!!!!」
…
…
オロロ「……………は?」
エルター「あっ、えっ、えっと、ジャックくんとエリー(迷いのウサギ=エリザベス)さんがもし困っていたら、どちらも助けるよ」
オロロ「……キミ、バカなのかい?? だから、どちらか一方しか救えない場合だって言ってるじゃないか」
エルター「………オロロさん……」
オロロ「なんだよ??」
エルターはマジマジと
オロロを見る。
エルター「…悲しい想像は、『事象の創造』に繋がっちゃうかもしれないから、やめないかい??」
ピリッ
ジン「!!」ビクッ
カーラ&リン「「!!」」ビクッ
空気が
僅かに
ピリつく。
オロロ「! ………なんだって??」
エルター「あっ、分かりにくくてごめんね。ええと、予想や想像は、もちろん大切だし、オロロさんはアタマが良いから、きっとたくさん、考えてくれてるんだよね。ありがとう」ペコッ
オロロ「……………」
エルター「…だけどね、『こうなっちゃうかもしれない』という想像が、悪いものだったらさ、きっと、自分たちの行動も、知らず知らずのウチにその『想像』に引っ張られちゃうと思うんだ……」
シャカ「……………」
オロロ「……つまり?」
エルター「うん。私はね、ジャックくんとエリーさんを、どちらも助けたい。今言ったように、嫌な状況になってないことがまずは前提だけど、もし大変な場面でも、必ずどちらも助けるよ」
イラッ
オロロ「………そんな保証がどこにあるのさ?? 確証もなく、無責任に助けられるだの、抜かすんじゃないよ」
エルター「………うん……だけど、『ひとりしか救えない』という…あ、もっと言えば『ふたりが大変な状況にある』という、確証もないよね?」
オロロ「!!………チッ……」
エルター「! ごめん…エラそうな事をいって……。えっと、つまりさ、私は、悲しい結末なんて『想像しない』。無力だなんて思わない。大切な恩人を、助けられない未来なんて、考えられないよ」
オロロ「……………」
シャカ「……………ねぇ、お嬢様」
ヘラ「……………」
シャカ「………エルタんって、あんなに哲学的というか、論じれる御方だったっけ?? …俺っち、過去イチ衝撃なんだけど………」
ヘラ「……………きっと………彼女は………『論じてる』つもりは毛頭ない…はず。…あくまで……想っていることをそのまま……伝えてるだけ………」
シャカ「ん〜やっぱそうだよね〜……。だとしたらさ、エルタん、凄くね? あの偏屈研究者と舌戦できてるんだぜ??」
ヘラ「……………」




