第723毛 自覚/無自覚
ザッ
ザッ
ザッ
エ「……………」
その
輪郭は
その場から動かず
逃げもせず
ただジッと
まるで最初からそこに居るかのように
動かない。
エ「……………」ザッ
そして
近くまで歩みを進めたエクステは
エ「…………ラックス……さん??」
その輪郭に話し掛ける。
???「………」
エ「………ラックスさん……勝手に、貴方の…えと……貴方の『ミタマ(この場合、心)のなか』に入っちゃって、ごめんなさい!! ……でも、その………ラックスさんの事が……心配で………」
???「………」
エ「………ラックスさん……色んな、色んな事を、おひとりで抱え込んでいたんですよね?? ……ううん、いた、じゃなく、今も……。…だけどもう、大丈夫です。リオンさんも含めて、ラックスさんの事を、みんなわかりたいって、思ってるんですよ? …もっ、もちろん、私も………///」
???「………」
エ「……ラックスさん……だから」
???「ちがう」
エ「!!!!」
その
輪郭が
ユラユラと揺れる。
だが
それだけ。
エ「………ラックス……さん???」
???「……………」
エ「……え、ええと、た、確かに、いきなりみんなに想いを伝えられるかって言ったら、違うかもしれないですね! すみません……。で、でも、お旅の仲間も、新たな仲間も、みんな、ラックスさんの」
???「ちがうんだ」
エ「!!………え?………」
ユラ…
ユラ……………
エ「……ラ、ラックス………さん??」
???「…………ラックス………ハハ………ハハハハハハハハ………ラックス…………か………ハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハ!!」
エ「!!!?」ビクッ
恐怖。
純粋な恐怖を
エクステは感じる。
だが
フゥ…
エ「………(大丈夫………私は………)」スゥ…
エクステは
ミタマ(この場合、心)を落ち着かせる。
エ「……ラックスさん。……みんな………もそうですが、私も……ううん、私は、ラックスさんの事、もっと知りたいです!!」
???「ハハハハハハハハハハハハ……」ピタッ
エ「ラックスさんがお辛いなら、私もその辛さを感じたいです!! 一緒に笑ったり、悲しんだり、楽しんだりしたいです!! ………ラックスさん…どうか……」
???「……………エ」
エ「!!」
???「………エクステ……さん」
エ「!!はい!!エクステです!!ラックスさん、私」
???「…フッ……グ……だ…だめなん……です………」
エ「!!え???」
???「……エクステさん………ありがとう………ございます…………。でも……でもね………。もう……いいんです………これで、いいんです………」
エ「!?ど、どうしてですか!?このままっ……このままで言いわけ、ありません!!ラックスさんは、ラックスさんとしての人生が」
???「いいえ」
エ「!!」
???「…………俺は……ラックスじゃありません………なんなら………『ヒト』ですら………ないんです……………」
エ「!!え!?」
ザワッ
自身に何故か
鳥肌が立つのを
エクステは感じ取る。
リオン「………ラックス………ラックス………」
エ「………?? …………ど、どういう………こと…ですか?? ラックスさんは……リーブの民として………」
???「………いえ」
ユラ…
???「……不死は、俺なんです」
エ「……………え?」
リオン「……………」
???「……リオンは、不死じゃない。……枯らしたりしていない。………不死は………『放棄されるべき存在』は、俺なんです。俺が、『不死』そのものなんです」




