第695毛 道/未知/路
…
……
………
道を示した
道を示された
退屈な日常も
理不尽な日常も
この世の『理』も
全て『悟った』
だから『成った』
天上の民に
導き手に
正しい『道』が見える存在に
そのつもりだった
…
…
カツ…
カツ…
シャカ「ん〜、お邪魔するよ〜♪」リンッ
その暗い空間へ
シャカは足を踏み入れる。
その空間の奥には
ヘラ・ルージュ「……………」ブツブツ…
シャカ「失礼、ルージュお嬢様♪ 相変わらず、ヘラってるのかい??☆」
ヘラ「………何しにきた……」キッ
ヘラは
シャカを睨みつける。
シャカ「ん〜相変わらず〜♡ ……ま、何となく分かってるんじゃないの??」
ヘラ「……………」
リンッ
シャカ「……『理』を崩したでしょ??」
ヘラ「……………」
シャカ「……………」リンッ
ヘラ「………その『眼』でミテもムダだ………」
シャカ「…………へぇ………」
ヘラ「……………」
シャカ「……ヘラ・ルージュ。君は『理のカミ』の中でも、『色々と甘い』ことは知っていたよ。あ、掟に甘いって意味じゃなくて、心情…というか、他者に甘いってこと♡」
ヘラ「!!…………」
シャカ「………『不死』のカミを手助けしたんだろう? ……理由は分からないけど、『不死』ではなくなるために」
ヘラ「……………」
シャカ「……何が貴方を『動かした』んだい??」
ヘラ「……………」
刹那
バタバタ
バタバタ…
ヘラ&シャカ「「!!」」
バタンッ
女神ハテナ「やっほ〜♪♪♪ヘッラちゃ〜ん♡♡♡今日も漁りに……ぁん間違えた♡遊びに来たよ〜〜〜♡♡♡♡♡」
ヘラ「………………」
シャカ「……これはこれは…相変わらず〜♪♪♪」
ハテナ「!!およよ?? 何やら大事な会談中でしたかな?? シャカくん、ひっさしぶり~♬♬ちょっと痩せた?」
ハテナは言いながら
シャカのもとまで歩みを進める。
シャカ「いや〜♪悩める子羊ちゃんは、たくさんいるからね〜♪♪気苦労かな??☆」
ハテナ「え〜♪そんなタイプに見えな〜い♡♡♡」
ヘラ「……………」
ハテナ「あっ!!ヘラちゃんごめんね勝手に話しちゃって♪ 寂しかったでしょ??」ダキッ
ヘラ「っだから!!いきなり抱きつくな!!」
ハテナ「え〜♪じゃぁ、いきなりじゃなく『抱きつくよ♡』って言ったら抱きついても良いの??♡♡♡」ヒシッ
ヘラ「っそういう意味じゃないっ!!…離れろ!!」バタバタ
ハテナ「か〜わいい〜♡♡♡」ギュッ
シャカ「………まったく……」
そんなやり取りを見ていたシャカは
クルッ
踵を返す。
ヘラ「!」
ハテナ「はて? シャカくん、もう用事は良いの〜? …あ、もしかしてアタシ、お邪魔虫??」グスン…
シャカ「ん〜いやいや、とりあえず、またの機会にするよ♪」
ヘラ「ッシ、シャカ!!…」バタバタ
シャカ「ん?」
ヘラ「……お前の言いたいことは、わかる……。ただ、『道』を決めるのは、『個』だ……。それは、どんな存在であれ、ナニカに縛られるものではな……ええい離れろハテナ!!」ジタバタ
ハテナ「あ〜ん♡♡」ヒシッ♡
シャカ「………御高説どうも♪ とりあえず、キミの想いはわかったよ☆ …また来るね〜♬」ヒラヒラ
後ろ手を振りながら
シャカはその場を離れた。
ハテナ「……(…ふーん………♪)」
…
…
…
シャカ「……下界…リーブは久々だな……」ザッ
シャカは
リーブの
とある場所へ来ていた。
シャカ「……………」
シャカが見据える先には
スカルプ・リッチ「エ、エルターさん!!大変です!!」バタバタ
エルター「ど、どうしたんだいスカルプ!?そんなに慌てて……」
スカルプ「はいっ!僕…いえ、私、スキルに目覚めたようなんです!!」
エルター「え!?そうなのかい??」
スカルプ「はい!!何やら『道具を介して別の場所と視覚や聴覚情報を共有する』というものらしく、『スコープ』というスキルらしいです」
エルター「スコープ……へぇ、私も初耳だな………」
スカルプ「え?」
エルター「あっ、いやいや、何でもないよ!
でも良かったじゃないか。スキルを授かるなんて、選ばれた存在なんじゃないかい?」ニコッ
スカルプ「そんな……ぼ…私はまだまだです。…ですが、これもひとつの成長として、これから更に、貴方様を支えられるよう頑張ります!!」
エルター「………」
スカルプ「……? エルターさん??」
エルター「……ふふっ、いや、何でも……♪ うん、頼りにしているよ」
スカルプ「はい!!」
リンッ
シャカ「……………」
…
…
医者「おめでた、ですね」
エルター&スカルプ「!!!!!!」
スカルプ「ほ、本当ですか!?」
医者「嘘を言う理由はありません」
スカルプ「あっ、そ、そうですよね!! すみません……。……エルター!!私達の………」
エルター「……………」
スカルプ「……エ、エルター??」
エルターの
見開いた目から
ポロ…
ポロ…
ポロポロ…
医者「……………」
スカルプ「エ、エルター!?」アセアセ…
エルター「……おめでた………わた……私が……『イノチ』を………限りあるイノチを………やど……宿し………ぅ……」グスグス…
スカルプ「……………」スッ
スカルプはそっと
エルターを横から抱きしめる。
スカルプ「そうだよエルター。私達の子…私達が、これから大切に育てていくイノチだ。本当に、本当にありがとう。…これからは、家族3人で、生きていこう」ギュッ
エルター「っ…うんっ!!スカルプ………愛してる!!」ギュッ
医者「……………(感情表現が物凄い方々ですね………)」
リンッ
シャカ「……………」
…
…
シャカ「………エルターさんは今日も……子育てかな……幸せそうにしちゃって…まったく…」
シャカが
もう何度目かも分からない程
リーブでの
『彼女』の様子をミに来ると
トテトテ…
トテトテ…
シャカ「ん?」
黒猫「た、大変です!!蝶々を追いかけていたら、ヒルデを見失ってしまいました!!私とした事が………」アセアセ…
シャカ「! 貴方は………」
黒猫「!!む!!く、曲者っ!!」バッ
シャカ「ん〜?? いやいや、ベルさん、俺っちだよ♡ 愛しのシャカ・リッキーことゴータマ・イジッタールタさ!!☆」
黒猫ベル「!!あっ、シャカさんですか!?お久しぶりです!!」ペコッ
シャカ「はい☆おひさ〜♪ 今って、ベルさん何してるんだっけ??」
ベル「あっ、はい!綺麗な蝶々を追いかけてました」シャキッ
シャカ「ん〜♪ いや、そうじゃなくてね…ベルさん、『今のセカイ』では、確か…ナルキューレについてきたんだっけ?」
ベル「あっ、そういう意味でしたか! はい、相棒のヘブンヒルデについてきて、このリーブにいます」
シャカ「そっかそっか☆ …それで、ヒルデちゃんは?」
ベル「あっ!!そうでした!!はやくヒルデを見つけないと……」ワタワタ
シャカ「ん〜??」
ベル「あっ、すみません…。ええと、ヒルデは今、リーブの民とともに居て、『椿』という組織? に、所属しています」
シャカ「!!……へぇ…そうなんだ…」
ベル「はい!」
シャカは
少し躊躇う素振りを見せたあと
シャカ「……ベルさん…」
ベル「はい?」
シャカ「…こんな事言ったらアレなんだけどさ…リーブの民に預けて、大丈夫かい?」
ベル「え?」
シャカ「ああいや、ベルさんが見守ってるなら大丈夫かとは思うんだけどね、こう……『ヒト』は、色々と『脆い』からさ……」
ベル「? はい。ですが、私達もおんなじかなぁと」
シャカ「!」
ベル「あっ、確かに、ヒルデがまたイジメられるような感じになれば、助けます! …ただ、リーブの皆さんだから…というのは、特に………」
シャカ「………そっか……さすがはベルさん♪」
ベル「? 私は………!!」ピクッ
シャカ「ん?」
シャカは
上を向くベルの視線を追う。
バサッ
ベル「青い鳥さんです!!なんて珍しい!!まて〜〜!!」バッ
シャカ「……………」
黒猫ベルは
幸せそうに青い鳥を追いかけていった。
…
…
エルター「…ねぇ、シャカくん」
シャカ「ん〜?? どしたのエルタん?☆」
エルター「ああいや、大したことじゃないんだけどさ……シャカくんって、『今』は、リーブの民が好きじゃないのかい??」
ドクンッ
シャカ「………え〜?? なんかそんなふうにミエるかい? 俺っちが」
エルター「あっ、気を悪くしたなら謝るよ! ……ただ、何となく…その……『リーブの民に成った私』を、凄く心配しているんじゃないかなって思って…」
シャカ「………」
エルター「…シャカくんってさ、『眼』で、色々なモノがミエるし、色々な事ができるんだよね??
だからきっと……ヒトの『良くない部分』…が、際立ってミエちゃうんじゃないかなぁって、思うんだ…」
シャカ「!」
エルター「確かに、ヒトってさ、良くない感情も含めて、こう…感情表現がすごい豊かだとは思うんだけど……それって、必死に『限りあるイノチ』を生きようとしているからだと思うんだよ」
シャカ「………エルタんは、そんな『存在』に、憧れたわけだね……」
エルター「う、うん。…私は、ずっとずっと、何も変わらずに『在り続ける』のが寂しくて……悲しくて……。スカルプに会って、そんな自分を変えたい! って、想ったんだよ」
シャカ「……………」
シャカは一瞬
メを閉じる。
シャカ「………スカルんは、キミと最初に会った時……ヒドい目に遭った形跡があったみたいだね」
エルター「! ……うん………」
エルターは目を伏せる。
シャカ「…思い出させちゃってごめんね。……でもさ、ヒトって、キミも今言っていたような『良くない感情』ですぐミタマ(この場合、心)が溢れて、度の過ぎたコト……『非道』な事を簡単にしてしまうんだよ? ……俺っち自身、ヒトだったから、否が応でも身に沁みてる」
エルター「………うん……」
シャカ「……あの女神……アリーガール(アリガトネ)は、そんな感情もまたヒトらしくて『美しい』と言ってるけど……俺っちはそうは思わないな。……キミの言う『限りあるイノチ』の中で、スカルんは、その限りある時間をある意味『奪われた』んだよ?? ……君は、それでも…」
エルター「…シャカくん」
シャカ「!」
エルターは
真っ直ぐに
シャカの『目』を見る。
エルター「…そこまで心配してくれて、ありがとう」
シャカ「!! ……いや…俺っちは……」
エルター「だけどね、シャカくん」
シャカ「………」
エルター「君の考えは、正しいのかもしれないけど、それだとさ…『成長』できないと思うんだ…」
シャカ「………」
エルター「シャカくんが言ったように、スカルプが受けた仕打ちは酷いものだと思う。…でもこれってさ、すっごく『ヒトらしい』よね」
シャカ「……ヒトらしい?」
エルター「うん」
エルター「『憎い』『悲しい』『守りたい(護りたい)』『復讐したい』…これらってさ、ヒトの感情そのものでしょ?? …そして、本来は私達…あ、私はもう違うか。…テンカイの民も、マカイの民も等しく持ってるものだと思うんだよね。でも…マカイの民は、よく知らないけど、テンカイの民は…神も含めて、その感情が希薄なんだよ…。何故なら『チカラ』で何とかできちゃうから」
シャカ「……………」
エルター「…そして、シャカくん。…キミも…」
シャカ「!!」
エルター「キミのチカラは、それこそ『今』のテンカイみたいに『導く』事ができちゃうよね。だから…より『こうすれば良いのに』って、ヒトの『良くない部分』に目が行きがちだと思うんだ」
シャカ「……………」
エルター「……シャカくん。改めて言うけど、こんな私を、気遣ってくれて…心配してくれて、ありがとう。…でもね、私は、シャカくんへお願いした事以上の事は、求めてない。…導きは、必要としていないんだよ。…『成長』したいからね」
シャカ「……エルタん………」
エルター「こんな言い方しちゃって、ごめんね」
シャカ「……いや、いいよ…」
エルター「…シャカくんも」
シャカ「?」
エルター「シャカくんも、ヒトだったよね? …いや、今も『半分はヒト』かな。…だから、シャカくんだって、まだまだ成長できるんだよ? …って言い方したら、テンカイの民とかが成長できないみたいだね。そうじゃなくて、シャカくんは『どっちも知っている』存在なんだ。だからこそ、リーブの民より、テンカイの民…神とかを、良くミテ…場合によっては『導いて』ほしいな。……『チカラ』をもつ者、じゃなくて…自らをちゃんと理解できるように」
シャカ「……………」
一方
幸せそうだった黒猫は
シャンッ
シャンッ
シャンッ………
ベル「…ぅぅ……グスン……シクシク………」
ヘラ・ルージュ「……………何を……しているの??」
ベル「!!あっ!!ヘラさまっ!!グスン…青い鳥さんを追いかけて、高い木に登ったら、降りられなくなっちゃいました……」シクシク…
ヘラ「……………(ハウリング・ベル/共鳴りの鐘 が鳴っているから、来てみたけど……)」
ベル「ヘラ様……助けてください………」シクシク…
ヘラ「……………本当に……何をしているの??」




