第691毛 目線
………
シャカ「………執着?……」
シ「はい」
シャカ「……………」
シャカは
シゲルを見据える。
シャカ「………わからないな……君、状況を理解していない訳じゃないだろう?」
シ「む?」
シャカ「………さっき話したように、エルタんが『今の状態』になったのには、あの『ナニカ』が絡んでいる。あれは、キュレルちゃんを『枯らそうとした』。それは明白だよ」
シ「はい。どうやら、そのようですね」
シャカ「……………は?」イラッ
シャカは
明確な『苛立ち』を覚える。
シャカ「……そのようですね、じゃないだろう!?あれは、見境なく枯らそうとしている。ラックスくんを含め、皆が危険に晒される事くらい、わかるだろ?? 何をそんな悠長に構えてる?」
シ「……………ふぅ………」
シゲルは
敢えて
ゆっくりと息を吐く。
シャカ「………っ……」イラッ
ラキ「………♪」
アリガトネ「……………」フシュー ←生きた心地がしない
ヘラ「……………」ジー
モイスチャー「……………」スチャッ←いつでもシゲルの盾になれるようスタンバイ
シ「…最初の、前提の話を、思い出してください」
シャカ「……………は??」
シ「…貴殿は特に、エルター氏と『あの者』を、別個として捉えている。それも、『あの者』を『あぶれもの』『いらないもの』のように」
シャカ「…っそれは、当然じゃないかい? なんせ」
シ「当然? 何がです?? エルター氏が『その者』を放棄したにも関わらず、ラックスへ宿ったから? キュレル氏を枯らそうとしたから? 身代わりとなったエルター氏が『今の状態』となったから??」
シャカ「! ………ああ。全てが、だよ」
シ「そうですか。で、あれば、やはり自惚れていますね」
シャカ「…は??」
ヘラ「……………」
シ「あの者…『リオン氏』に、意思がある事を…いえ、リオン氏が私達と同じく『息づいている』ことを、認めようとしていない。一方的に『厄介者』扱いをされていますね?」
シャカ「! ……随分な言い方だね? 一方的も何も、悪行があるじゃないか」
シ「いえ、そもそもの話からです」
シャカ「?」
シ「まぁ、これに関しては、エルター氏自身や、そちらのヘラ氏等『理のカミ』とやらの考え方、捉え方の問題が大きいですが…。そもそも、エルター氏は『不死』を放棄したいと考えた。ヒトとして生を全うしたい、と。これ自体を何ら責めるつもりはありませんし、寧ろ『意思のある生き物』としては当然かと思います」
シャカ「……………」
シ「エルター氏が『ヒト』となった際、どういうカラクリかは分かりませんが、『不死』というチカラなのか概念なのかと、スカルプ氏の『想い』が結びついた。結果『スーパーリッチ』が生まれ、リオン氏は明確に『意思』として現れた」
シャカ「………要約どうも。……それで?」
シ「はい。ここまで言えばお気付きになるかとも思いましたが、まぁ良いでしょう。元が何であれ、どんな経緯や形であれ、リオン氏はリオン氏として『意思』を持った。この時点で、貴殿等は『平等に』扱うべきだったのです」
シャカ「………平等?」
シ「はい。『不死』をエルター氏から切り離す、という前提…考え方により、『優先されるべきはエルター氏の想い』という共通認識となりました。これにより、『切り離された不死』は、貴殿等の中では『在るべきではないもの』『厄介者』となったのでしょう。だから常に『懐疑的』であり『上から目線』な対応をとっていた」
ヘラ「……………」
ラキ「……………」
アリガトネ「……………」
シャカ「……………」
シ「誰だって、上から目線で迫ってこられたら戸惑います。ましてや、『生まれたばかりの意思』なら、尚更です。リオン氏は戸惑い、自らのチカラにも困惑し、また『放棄』された……本来『一緒だったはずの半身』に見捨てられたことも感じとった。…そして、あまつさえ、半身が産んだ子のもとに現れてからは、大勢に監視される……私がリオン氏なら、発狂するかもしれませんね」
レノア「……………」
イヴ「……………」
ハヤメ「……………」
シャカ「………つまり……なんだい? 俺っちや…エルタん…周りの皆の配慮が足りなかった、とでも言うのかい?」
シ「配慮と言いますか、心持ち…根底のイシキの問題ですね。『配慮』は非常に大切ですが、やはり『してあげてる』感も出てきます。そうではなく、新たに誕生した同胞…新たな意思として、尊重し、受け入れるべきであったと思います」
シャカ「……………」
その場の一同が
沈黙するなか
メトリー「シ…シゲル様の言う通りです…!」
モイスチャー「!!」
キュレル「は、母上!?」
モイスチャーの側に来ていたメトリーが口を開く。




