第685毛 独り言
シゲル「まぁ良い。失礼ですが、ここで何を?」
シゲルは
その者へ話し掛ける。
「……………」
メトリー「………(シゲル様……なぜ、ひと目…それも遠くからひと目みただけで、ラックスではない、とお分かりに………)」ジー
シ「……明日、いよいよ『創作の都』の主と会いますからね。ラックスも、『貴殿』も、緊張なさっているのでしょうか?」
「……………」
シ「……それとも、心配なのですかな?」
「………! ………シン……シン…パ……」
シ「ふむ………」
シゲルは優しい声で
その者へ語りかける。
シ「立ち話もなんですから、もしよければ、ラックスのお部屋か、私の部屋にてお話しいたしませんか?」
「……………」
シ「おそらく、その方が『ラックスにとっても』良いでしょう」
「!!……………」
その者はシゲルを見つめる。
その瞳が
揺らぐ。
シ「……では、そうだな…私の部屋に致しましょうか」
そしてシゲルは
シ「メトリー氏も、よければぜひ」
メ「!!!!」ビクッ
「!!メトリー……メトリー………」
シ「………貴殿も、メトリー氏が居た方が良い形ですかね。…いかがでしょうか? メトリー氏」
メ「!っえ、あっ、は、はい!!行きます!!」ドキッ
シ「ハハハ。驚かせてしまい、失礼致しました」
…
…
そうして
シゲルの部屋に着いた3名。
シ「どうぞ、お掛けください。メトリー氏は、恐縮ですがベッドにお腰を掛けていただければ。私は下半身を鍛えるので立ったままで」
「……………」
メ「えっ、あ…はい、失礼致します」スッ
「……………」
メ「…ほら、せっかくですから、座りましょう」
「……………」
その者は無表情のまま
椅子へ腰を掛ける。
シ「さて。いきなりお連れしてしまい、モウし訳ございません。ただ、少々確認等をさせていただきたく」
そう言いながら、シゲルはその者を見る。
「……………」
シ「…貴殿は、ラックスと『良好な関係を築きたい』とお考えでしょうか??」
「!!」
メ「!!」
シ「…じつは、ラックスと初めてお会いした、ゴウモウ王の城でのウタゲの際から、貴殿について気に掛かっていました。理由は分かりませんが、ラックスが『ラックスとして』振る舞っている際も、その心に、もうひとり、誰かがいるような感じを、ずっと覚えていました。ただ、このセカイに来て早々であったため、『そういう事もあるのか』程度で捉えておりましたが」
「……………」
シ「しかし、このセカイで過ごし、スキルやチカラについて知り、モイスチャー氏等から『ひとつのカラダに、ひとつのミタマが基本』という点も学びました。だからこそ、貴殿の存在と、ラックスの挙動が、気になっていたのです」
メ「………挙動、ですか??」
シ「はい。まず、ラックスはよく『俺なんか』『半端者』と口にしています。これ自体は特に不自然ではない。自らに自身がなかったり、自らを省みて発言したりすることは、誰にでもあることです。ただ、貴殿のような『別の誰か』が居らっしゃるのであれば、話は変わってくる。ラックスは、広い意味で『自分自身』と向き合い続けているのでは、と思った訳です」
「……………」
シ「そして別の点。少々モウし訳ないのですが、度々聞いておりました。ラックスの『独り言』を」




