第646毛 はやめ
イヴ「……え??」
シャカ「…っ……」
レノア「早急に、順を追って説明いたしま…」
ハヤメ・ハブロン「し、失礼します…!!」スッ
イヴ「! ハヤメ…!」
ボタニストの職務中に発動が可能な『転移』により、ハヤメ・ハブロンが現れる。
レノア「来ましたかハヤメ。先ほど、念話にてお伝えしたように、エルター・リッチ様及びお腹のお子キュレル・リッチ様が予断を許さない状況です。よって、『本来の予定を早めて』出産まで踏み切りたいと思います」
ハヤメ「わっ、わかりました!! と、いうことは…」
レノア「はい。貴方のチカラ『はやめはやめ』を使っていただければと思います」
…
……
レノア「整理します。現在、エルター様のお子キュレル様のミタマが『ナニカ』と言われる『チカラの残滓』のようなものによって枯らされています。エルター様がキュレル様を守ろうとしている事で、エルター様の方へも『枯らす効果』が多少入り、結果中和しているようにも見受けられますが、希望的観測でしかありません。よって、まずはシャカ様に『ナニカ』からの『これ以上の介入』を止めていただきたく存じます」
シャカ「うん。っというか、『もうできたよ』。さっき、キュレルちゃんの状態を見たときに、『人間道』への介入を遮断した」
レノア「そうでしたか。迅速なご対応ありがとうございます。では次に、ハヤメのチカラを駆使していただきます。ハヤメのチカラ『はやめはやめ』の効果は大きく分けるとふたつ。ひとつは『自分または自分に関わりのある他者の危険を予め知る』こと、もうひとつは『事象を省くこと』です。今回はふたつめの効果『省き』を使用いただきます」
ハヤメ「は、はいっ!! …ですが、何に対して、でしょうか??」
レノア「はい。少々強引ではありますが…『予定日までの時間を省いて』いただければと」
イヴ「!!」
ハヤメ「じ、時間ですか!?」
レノア「はい。…シャカ様。『ミテいただいた』限り、『ミタマが薄くなっている事を除けば』、何とか産まれても問題ない成長体ということで間違いないでしょうか??」
シャカ「…ギリギリ…だけどね…。エルタんの生命力の強さも相まって、成長自体は早かったみたいだよ」
レノア「わかりました。今は、シャカ様により『ナニカ』の介入は避けることができていますが、どこまでもつかは不明瞭です。そのような状況で、お腹に留まっていたままでは、エルター様、キュレル様双方のご負担が続くことになります。よって、『救済の選択肢が広くなる』意味でも、出産という形でお二方を分断致します」
イヴ「…お姉様…それならば、もう少しで来るという、お医者さんを待っても良いのでは?」
レノア「はい、それも考えましたが、先ほどスカルプ様がスキル『スコープ』を駆使し話していた内容によると、主治医は現在別件対応中であり、一刻以上は到着までかかるとのことでした。…正直、それまでお二方が『もつ』かわ分かりません。従いまして、我々が対応した方が良いと思われます」
シャカ「そうなるね…よし、エルタん、良いかい?」
エルター「…ぅ…うん…ありがとう……」ハァ…ハァ…
レノア「…では、始めましょう。ハヤメ、お願い致します」
ハヤメ「はいっ!!いきます!!」スゥ…
ハヤメ「効いたよね♡『はやめはやめ』!!!!!!」ヴンッ
…
……
エルターが黄色い光に包まれる。
やがて
エルター「…っ!!……ふっ…ふぅ………」
イヴ「!!破水が……」
レノア「…! ハヤメ、さらに数時間、進められますか??」
ハヤメ「は、はいっ!!」
シャカ「まって! …エルタん、大丈夫かい??」
エルター「…っふ……ぅ…うん…だ、大丈夫……っ…お願い…します…」
レノア「…勝手に急いてしまい、大変失礼しました。では、ハヤメ」
ハヤメ「はい!!『はやめはやめ』!!!!!!」ヴンッ
…
……
エルター「!!っ…グッ……」
シャカ「!!始まったか……でも、取り上げるの…は…」
エルターを見ていたシャカが振り返ると
レノア「………」スチャッ
イヴ「……お姉様…」
レノア「準備は万端です。では、始めましょう」




