第61毛 無能
シ「それで、そのアサヒ氏が、何者かに暗殺されたという事か?」
シャ「…はい…ですが」
???「おいっ!!何してんだ!?服にかかったらだろう!!」
シャルルが何かを言いかけた時、近場から怒鳴り声が聞こえる。
パ「揉め事かな」
人だかりに目を向けると、黒髪の青年が、ガタイの良い男に絡まれている。
パ「あれ、ウィッグさんじゃん。また何かやらかしちゃったのかな」
よく見ると、ガタイの良い男が着ている服にはシミができている。
ウィッグ「申し訳ございません。お召し物の洗浄代や、迷惑料等、お支払い致します」
男「あ? ああ、当然だろ!! ただ腹の虫がおさまらねぇなぁ。無能さんよぉ」
シ「……助太刀した方がよいだろうか」
パ「いや、あれくらいなら多分、大丈夫だよ」
シ「?」
刹那、かすかに空気が変わったように、シゲルは感じる。
自身のスキルを使用した際の感覚が蘇る。
ウ「無能な私ですが、精一杯お詫びをさせていただきます。それに、皆へも聞こえるように窘めてくださる事で、より一層猛省ができます。お優しい方ですね」
男「…んん?…なんだそりゃ?…まぁいい。誠意をしめしたら別に何も言わねぇよ。それじゃ、後で店に来てくれな」男はそう言い、幾分かトーンダウンして冷静に去っていった。




