第628毛 エルターズ・オリジナル.12 オリジン
……………
…
……
全てが『裏目』に出た
セカイが彼女を見捨てていた
あんなにも理不尽に
あんなにも不条理に
虐げられた挙句
このセカイには不要と判断された
私は
私達は
彼女を『救えなかった』
記録者すらも
守護者すらも…
ただ
彼女は『いなくなった』
『理から外れた』のか
誰かが手を差し伸べたのか
今はただ
ただ…
彼女が『笑っていれば良い』
『はじまりの勇者』の肩書も
セカイから迫られる重責も
全てから解き放たれて
笑ってさえいてくれたら…
大切な友人
ヨーコ…
……………
エルター「? 眼??」
エリー「…」ピクッ
ミダレの言葉を聞いたエリーが僅かに体を震わせる。
ミダレ「うん。彼女はね、特別な『眼』を持っているんだ~♪ それと『お仲間さん』もね♡」
エルター「??」
ジャック「…ミダレ様。此度の件、エリーさんの協力が不可避というわけではありません。…『眼』の使用は、彼女に負担がかかります。それならば…」
ミダレ「ん~ジャックさん」
ジャック「はい」
ミダレ「エリーちゃんも」
エリー「…何でしょうか?」
ミダレは一呼吸おく。
ミダレ「…『はじまりの勇者』を、助けられなかったよね?」
ザワッ
ジャック「…!!」
エルター「! はじまりの勇者って、確か…」
エリー「何が言いたいのですか」ゴ…
エルター「!!」
エリザベスからハゲしい『圧』が放たれる。
同時に
エルター「…? …!?え!?」
エリザベスのウサギのカラダが『灰色の光』に包まれる。
そして
その輪郭が
徐々に…
エルター「ぇ…ええ!?」
ジャック「……」
光が消えると
そこには
エリー「………」
薄緑色の目をした女性が
椅子から立ち上がり、ミダレを見つめていた。
ミダレ「あらら、やっぱり『ミダレちゃった』ね~…。まぁ、アタシのせいかな?」
エリー「……質問に、答えてください」キッ
ミダレ「まぁまぁ落ち着きなよ~♬ 座って座って♡」
エリー「………」
ミダレ「怒らせる気はなかったんだよ? ただね、例の『はじまりの勇者』の件もさ、結局は『理がどうのこうの』って話になって、挙句セカイから弾かれちゃったじゃん。しかも、アタシのところ(オニガシマ)にすら来ないでさ……」
あっけらかんと話しているように見えるミダレだが、静かな怒りを秘めているのを一同は感じ取る。
ジャック「……」
エリー「……あの件は…あの時の事は…生涯の不覚です。…もう二度と、あのような…」ギリッ
ミダレ「だね~。ジャックさんも、そうでしょ? お尋ね者になっちゃったくらいだし」
ジャック「……そう…ですね…」
ジャックはテーブルの下の拳をきつく握る。
エルター「…ぁ…あの…」ワタワタ…
ミダレ「あっ! ごめんごめん!! でさ、エリーちゃんにジャックさん。今回もね、きっと『理に関する内容』だから、変な介入があるかもしれない。アタシもさ、これ以上、あの時みたいに『お友達』を不幸にしたくはないんだよ」
ジャック「………」
エリー「………」
ミダレ「負担がかかるのは、わかってる。ただ、アタシもここを『守る』必要があるから、ほとんど動けないの。エリーちゃん、お願いできるかな? 不死者は、大切なお友達なんだよ」
エリー「………」
エルター「…ミダレ…ちゃん…」
エリーは目を閉じる。
過ちは
二度と繰り返さない
油断はしない
だから…
エリー「…わかりました。不死者様の件、私も全身全霊、協力致します」
エルター「!!」
ミダレ「ありがと~♪♪♪ 不死者、良かったね♡♡」
エルター「えっ! あっ、うん!! ありがとうエリーさん…」
ジャック「………」
ミダレ「? ジャックさん、どうかした~??」
ジャック「…いえ、なんというか…」
ミダレ「?」
ジャック「ええと、認識が間違えていなければ、ですが、此度の件…不死者様が『不死を捨てる事』に関し、何かしら、誰かしらの介入があるかもしれない、ということですよね?」
ミダレ「うん」
ジャック「…だとすると……確かに、かつての『はじまりの勇者』の件と同様に、『チカラ』に固執する者達が嗅ぎ付けてくる恐れがありますね…そのための『眼』という形ですか…」
ミダレ「うん。その方が安全かな~って…」
ジャック「…わかりました。では、整理いたします」




