第60毛 アサヒ
シャ「私は普段、これといって誰彼構わず話しかけるタイプではありませんが、彼女の雰囲気が、なんていうか…アーデランス姫のような…」
パ「どういうこと?危なっかしい的な?」
シャ「そうですね、何か、放っておけないという感じでした。それで、声をかけてみたのです。何を困っているのですか、と。彼女は驚いた顔と、わずかに敵意を含んだような視線を私へ向けましたが、大切な人へ贈り物をしていいのか悩んでいる、との事でした」
シ「していいのか、を悩んでいるのか」
シャ「そうなのです。話を聞くに、色々と訳があって気にかけていた男性のようですが、最近、恋人になってくれと言われたようです。ただ『私は今までそのような関係性を誰ともしたことがない。どうしたらよいかわからず…』と話されていたため、何かご事情があることも鑑みて深くは聞かずに、贈り物の助言をしました」
パ「へー」
シャ「彼女はコウセイ帝国出身のようですが、恋人はネイチャー王国にいるとの事で、行き来をしている事までは教えてくれました。そして、ネイチャー王国の教会には長く世話になっているため、顔を出すことも多い…と。その後は、特に約束もなく、別れました」
シ「それで、教会とかで何度か見かけた感じか?」
シャ「はい、その通りです。私もスキルの特性上、我が国だけではありませんが教会に行く事が多いのです。私自身、祈りを捧げる他、教会には、多くの悩み、身体的な病等を患った方々もいらっしゃいますから」
シ「なるほど」
シャ「その中で、何度か彼女を見かけ、互いに挨拶を交わし談笑するようになりました。そして彼女は『アサヒ』と名乗りました」
シ「アサヒ…か」
シャ「アサヒは非常に冷静で、淡白な面が見えましたが、恋人に対する想いは強いように感じました」
シ「何だか某お酒のようだな」
シャ「え?」
シ「いや何でもない」




