第604毛 呑まれる
……………
ラックス「………ヴ………」
スカルプ邸
ラックスの部屋
スカルプ「ラックス……いったい、どうしたんだ………」
エルター「……………」
ふらついて倒れ
寝室へと運ばれたラックス。
ス「…やはり、まだ9歳だと言うのに、依頼を受けすぎているのではないだろうか……いくら、ラックス自身の希望とはいえ、些か早いか……」
エルター「………あなた」
ス「! なんだい??」
エルター「………ラックスの『スキル』については、知っていますよね?」
ス「ん? あ、ああ。昨年、『鑑定』を受けたな。特定のものを『肥やす』か『枯らす』スーパーリッチとかいう………」
エルター「はい。……この『スキル』……いえ『チカラ』は、非常に……非常に『危険』です」
ス「え!?」
エルター「………あなた。リッチ家については、あらかた御存知かと思います」
ス「え、あ、ああ。君のご先祖様が、偉大なる御力で築き上げた、由緒正しき御家だな。…正直、婿に入った私が、スカルプ邸と言われて家柄を預かるのは、勿体ないとも………」
エルター「それは良いんです。私は、あなたがふさわしい、と思いましたので」
ス「…そ、そうか………では、問いの真意は??」
エルター「……………あなたにも、詳しくはお伝えできていませんでした……リッチ家の『秘密』を……」
ス「秘密??」
エルター「はい。……………!!!!」ビクッ
ス「!!どうした!?」
エルター「………」
エルターは左手を自身のこめかみ辺りに当てる。
エルター「……………。……ぃえ…大丈夫…です。…ちょっと、席を外しますね」
ス「………わかった」
エルターは
ラックスの寝室を離れた。
…
……
………
自身の部屋に着いたエルター。
エルター〚………待たせたね〛
???〚いえ、お気を遣わせてしまい、申し訳ございません〛
エルター〚…いいや、私が君へ依頼してるからね……。…それで、何かわかったかい??〛
???〚はい〛
???〚…やはり、貴方様の御力が、ラックス様へ、色濃く出ています〛
エルター〚……そうか……やはり……………〛
???〚ラックス様は、御力を抑制しようとしています。……いえ、少し違うな…御力に『支配されそうになっている』のを、必死で堪えています〛
エルター〚……………〛
???は、念話で沈黙するエルターに、少し躊躇いながら話しかける。
???〚………エルター様。『死の神』とは、相変わらずの形ですか??〛
エルター〚……………うん………〛
???〚そうですか…。と、なると………あとは、『流転』の彼くらいしか、適任はいないかと……………〛
エルター〚! うっ……うん………そうだね………〛
???〚躊躇する御理由は分かりますが、このままだとラックス様は………『呑み込まれ』ます〛
エルター〚…………………わかった…よ………〛
???〚…では、私から、彼に発信致しますか??〛
エルター〚ああ…あっ、いや、私がやるよ〛
???〚…そうですか。わかりました〛
エルター〚うん。………では、申し訳ないけど、引き続き……『ミテイテ』くれるかい??……ジャック〛
ジャック・サンセイ〚わかりました。元『記録者』の身としては、造作もない事です〛
エルター〚……ありがとう…〛
ジャック〚いえ。…では〛
念話が終わり
エルター「………ふぅ。………ハァ………彼……シャカ君に頼るしかないか………」
エルターは部屋の中で溜め息を吐いた。




