第37毛 光
室内にいる皆が、空気がかわるのを『認識』する。
やがて、足音が途切れ途切れに聞こえ始める。
メ「キュレル!!キュレル!!」メトリーは周りに向かって叫び出す。
シ「メトリー様。落ち着いて。キュレル様を感じなければなりません。貴殿にしかできないことです」
メ「あぁ…キュレル…キュレル…」
パ「……いるよね?」
ラ「…そうだね。俺でもわかる」
シ「ああ。呼び出しは成功している。ただ、まずはメトリー様が『認識』できるか、だな。ラックス、『濃くしてくれ』」
ラ「!! わかりました! 『スーパーリッチ』」
ラックスがスキルを発動すると同時に、「彼女」の気配が強くなる。
だが未だ、メトリーをはじめ誰も「彼女」を認識していない。
パ「『ダメージリペア』……ラックス、大丈夫??」
ラ「何とか…。パンテーンのお陰でまだ大丈夫」
パ「アタシもこれ、結構疲れるんだよね…自分にも同時に使用してるし」
シ「じゃあ疲れないんじゃないのか?」
パ「スキルを倍使ってるようなものだから、その半分しか軽減できないって感じなんだよね…つまり普通にスキル使ってるようなものなの」
シ「なるほどな」
メ「キュレル!!キュレル!!私はココよ!!」
シ「メトリー様。合図を」
メ「!!は、はい! キュレル!!『もういいよ』」
シ「……………」
室内の足音は変わらない。
シ「伝わってない…いや、互いに認識できてないな」
メ「そんな…どうすれば」
シ「仕方ない。奥の手を使うか。多少不本意だが」
パ「なに?」
尋ねるパンテーンと、ラックスへ目を向けたシゲルは、あるジェスチャーをする。
パ「え?」
ラ「そ、それは…」
シゲルはキュレルに向き直る。
シ「メトリー様、視覚ではなく、五感、全身でキュレル氏を感じ取る必要があるようです」
メ「ど…どうすれば…」
シ「良いですかメトリー様、感じ取るのですよ。貴殿にしか、できません」シゲルはそう言うと、おもむろにキャツーラを外した。
刹那、まばゆい光が城内を包みこんだ。




