第31毛 ハザマのセカイ
一刻前
ラ「彷徨っている…ですか?」
シ「ああ。死者ではないと思う。理屈はわからないが、おそらく生者で、こちらのセカイと干渉できなくなっているのだと思うが…」
パ「なんでそう思ったの?」
シ「目が合った」
パ「え?」
シ「先程の出来事の時に、私も、彼女の姿と声をはっきりと見て、視線も合った。何となくだが、彼女は死者として彷徨っているというよりは、生者として別空間、別セカイを彷徨っているという心象だった」
ラ「……ハザマのセカイ、というのを、聞いたことがあります」
シ「ほう?」
ラ「そこは、魂が何らかの事象によって入ってしまうようで、地上界や天界、魔界とはまた別のセカイであると…。そして、刻の流れもこちらとは違う、と…」
パ「聞いたことはあるけど、見たこともないし、正直信じてないんだよね〜」
シ「とってつけたように、おあつらえ向きだな」
パ「え?」
シ「おそらくその、ハザマのセカイとやらに彼女はいる。そして、まだ自らの状況を理解できないまま探している」
ラ「!! やはり、母上はまだ生きていて、我々を探していると!」
シ「………」
パ「どうしたの?」
シ「いや、確証がもてないから、まだ言えないが、少なくとも、ラックスのお身内であるとは思う」
ラ「??まだ、見えにくいという事ですかね??でも、とりあえず、生きていて良かった…」
シ「で、ここからが本題だ。ラックス、貴殿のスキルを頼りたい」
ラ「え?」




