第305毛 異例
モイスチャー「………勇者シゲル様」
シゲル「…みていたのですか、モイスチャー氏」
モ「…申し訳ありません」
シ「…いえいえ…こちらこそ…『危うい』話になりそうで、失礼致しました」
モ「………」
シ「…ここで話をしない方が良いですか?」
モ「……いえ、『大丈夫です』…。今、ししょ…オルビス様が『監視』の目を外してくれている頃合いなので」
シ「ほう」
モ「…シゲル様…アナタは『どこまで推察されてますか』?」
シ「……そうですね…少なくとも、貴方が我々に『肩入れ』をしていることは分かりますよ。それと、『お仲間について悩んでいる』ことも」
モ「!! ………わかりやすかったですかね…」
シ「というより、それしか考えられないか、と。貴方からオルビス様を紹介された直後に私達についてくる形となり、ヴィオレ氏が『監視役』となった。そして、『それらを気に入らない誰か』が、精神干渉をしてきた」
モ「……………」
シ「ヴィオレ氏の事は、言い方は良くないかも知れませんが『泳がせている』のですか?」
モ「………確証がないのと……相手が相手なので…」
シ「なるほど。して今回、ヴィオレ氏がいる前で、精神干渉をしてきた存在について、心当たりはあるのですか?」
モ「………はい……」
シ「でもまだ伝えられない、確証が持てないから…ですか?」
モ「………………はい………」
シ「なるほど。わかりました」
モ「!! …不服では…ないのですか?」
シ「ハハハ。不服だと言い始めたら、それこそハルト氏と同じく、そもそも呼び出された事自体が不服ですよ」
モ「……そうですよね…」
シ「はい。ですが、私や、ハルト氏もそう。その理不尽に屈するのではなく、進む道を選んだ。今さら、与えられない情報に対して不平不満を言うつもりはありません。与えられないなら、自分で導き出します」
モ「………やはり…師匠は正しい…」
シ「む?」
モ「…オルビス様は…長であり、上司であり…私に、ボタニストとは何なのか、どうあるべきか、を教えてくれた『師匠』です」
シ「ほう」
モ「そんな師匠が、一目見ただけの貴方に『ついていくように』言いました。それも、『元総長権限を使用した直接命令』を用いて。…これは、異例なことなのです」




