第270毛 離れていても
メ「スカルプ様、私と、キュレルは、勇者様とともに、セカイを巡り、私達自身と、このセカイを、そして許されるなら、『勇者様の世界』についても、知りたいです」
パ「!! ……………」
メ「キュレルも、生半可な気持ちで、人々を救いたいと思っている訳ではありません。2人で、自分達のカラダの状態や、スキルの特性について、可能な限り学んでいるつもりです。だからどうか」
ス「…ふぅ。ようやく、ハッキリと言ってくれたね」
メ「…え??」
ス「メトリー。君は、芯が強い女性だ。だが、どうも『曖昧』を好む傾向にある。どっちつかずの方が、刺激的なのかな? 一見、道理に沿って動いているようで、実はそうでもないことも多いのはわかっているぞ」
メ「………私…」
ス「しかし今、ハッキリと『自分が何をしたいか』『自分が何をすべきなのか』を口にしてくれたね。生半可な、中途半端な想いでは、私は決して許さない。ただ、芯が通っていれば話は別だ……それとキュレル」
キ「!!はい!!」
ス「ハザマにいる間、ツラかっただろう。いくら私達が考えたところで、そのツラさは当人にしか、また経験した者達にしかわからないものだ。そしてお前は『そんな人たちを救いたい』という明確な想いを言ってくれたね。ツラい出来事を糧にして、尚且つ他者を救いたいと思っている。私は、お前を誇りに思う」
キ「…っ…お父様…」
モ「…メトリー氏、キュレル氏…スカルプ氏は最初から、お二人を旅にお出しするつもりでしたよ」
メ&キュ「「え!?」」
モ「勇者シゲル様ご一行は王から直々に認められた、他国への無期限入国及び滞在が可能な存在です。ですが、貴方がたや、アーデランス姫は違う。今回、ゴウモウ王の、アーデランス姫に対する尽力とは別に、スカルプ氏は貴方がた2名をシゲル様達と同じ扱いにできるよう、他国、多方面へ働きかけておりました。それこそ、『入れ替えの事件が解決してから』すぐに」
メ「!!………スカルプ様…」
キュ「………お父様……」
ラ「……………」
ス「…やれやれ、モイスチャーさん、何だか角が取れたように穏やかになったと思ったら、お世話焼きですかな?? …まったく…話すつもりはなかったのに…」
モ「申し訳ありません」
ス「…いや、私も、包み隠さず本音を言うべきだな」
ス「メトリー。ラックス。キュレル。君たちは今、ゴウモウ王の言葉を借りるなら『転機』の中にいる。いや、私もだな。この巡り合わせ、この縁、そしてこの現状は、私達にとってきっと良いものになる。皆、自信を持って、行って来なさい。離れていても、私達は繋がっているからな。私のスキルも使えるし。ハッハッハ!!」
メ「……あなた…」
ラ「………がんばり…マス…グスッ」
キ「お父様!!大好きなのです!!いつぞやは、役立たずと言っちゃってごめんなさいなのです!!」
ス「…ああ…うん…」




