第22毛 その日
ラ「父上。シゲル様がここに来てくださったのは、例の怪奇現象の調査のためです」
ス「なんと…お忙しい身でありながら、本当にありがとうございます」
シ「いえ、少しでもお力になれれば幸いです」
ラ「しかし父上、その、キュレルは相変わらずで…」
ス「そうか…やはりな…」
ラ「自分で解決する、というような事を言っていました」
ス「………」
シ「妹君は、なぜそれほどご自身を責めているのですかね?」
ス「…失踪当日、一緒にいたのは、キュレルのようなのです。」
シ「ほう」
ス「メトリーとキュレルは仲がよく、一緒に寝る日も多々ありました。その日も2人はキュレルの寝室で一緒に一晩過ごしたようです。ただ、朝になっても起きてこず、使用人が見に行きました。すると、キュレルだけがいたのですが、なぜかベッドではなく床へうつ伏せになっており、さらに顔面蒼白で、眠っているというより意識を失っているようだったと言います」
シ「ふむ」
パ「そこまで詳しくは知らなかった…」
ス「キュレルを医務室まで運ぶと同時に、メトリーをほうぼう探しましたが、見つからず…さらに、意識を取り戻したキュレルは、しばらく記憶喪失のような状態になっていまして」
シ「記憶喪失?」
ラ「俺も見ていました…。自分の名前を繰り返し呼んだり、『どうしよう…どうしよう』とつぶやいたりと、ひどく動揺もしていて、数日は食事もままならない形でした」
パ「きいているだけで辛いけど、本当に何があったんだろうね…」
ス「キュレルは多くを…いや、ほとんどを語ろうとせず、それからは自身の殻に閉じこもるかのように、何かを調べ始めたのです。自責の念からなのか、ただただ悲しそうに…」




