第239毛 刷新
コー「以前、お話ししましたよね??私は、理想像を持っていること。最初は確かに、大げさだったのかもしれません。ですが、今はやっと、理想像が『理想郷』として、形になってきました」
ヒ「……理想郷…」
コー「色んな事情を抱えたヒト達が、手を取り合い、だけど過干渉はせず、一人ひとり『活き活きと』暮らす…。そんな土地…そんな街です」
ヒ「……そんな…夢物語…」
コー「あら、初めてお会いした時にも、同じ事を言いましたね? ふふっ、もう『夢物語』ではないのですよ?? 私のいる『バンテリン共和国』には、それができつつあります」
ヒ「……バンテリン…共和国…」
コー「良いですか。もうすぐ、この帝国は崩壊…いえ、『刷新』されます。その時、アナタは『アナタらしく』活きるため、葛藤することもあるでしょう。繰り返しますが、『アナタは自由に活きて良い』のです。アナタにとって大切なヒト、もうたくさんいるでしょう。そのヒト達とともに、そのヒト達のために、精一杯生きて、活きるのです」
ヒ「………」
コー「おっと、かなり長話をしてしまいましたね。こう見えても今はかなり忙しい身なので、この辺で失礼致しますね」
ヒ「………コーデルワイスさん…」
コー「はい」
ヒ「………私…私は…ヒルデと言います」
コー「あら、ようやく名前を教えてくれましたね。アサヒと言う偽名じゃなく」
ヒ「!! 知っていたのですか…」
コー「まぁアナタはわかりやすいので」
ヒ「………コーデルワイスさん…いえ、コーデルワイス様…こんな私を、気にかけてくれて…ありがとうございます…」
コー「いえいえ。」
ヒ「私…私は、今、大切に想うヒトがたくさんになりました。ウィッグ君、ジン君、ツ…いえ、同じ仕事仲間の後輩…初めてできた友達…いかついけど優しいお洗濯屋さん…。私は、皆を守りたいです」
コー「…ええ。」
ヒ「…ワイス様。私は…今までしてしまった過ちの分、たくさんのヒトを幸せにしたいです。私は…私も…明日を『活きたい』です」
コー「…アナタ…いえ、ヒルデさんの口からその言葉が聴けて、本当に嬉しいです」
ヒ「ワイス様…お願いがあります」
コー「何でしょう?」
ヒ「私は、ウィッグ君、ジン君達と暮らしていきたいな、と思います。ただ、今の後輩…カーラと、リンと言うのですが、彼女達も、私と同じく、孤児です」
コー「…そうですか」
ヒ「はい。…ワイス様、もし、できることなら、ワイス様がお創りになる『理想郷』に、彼女らも入らせていただきたいです…」
コー「…もちろん。断る理由など、ありません」
ヒ「!!あ、ありがとうございます!!」
コー「…ヒルデさん、良い表情になりましたね」
ヒ「!!」
コー「それで良いのです。アナタも、アナタの幸せを掴みなさい。私も……」
ヒ「…?? ワイス様???」
コー「…いえ、何でもありません。…それでは、またお会いしましょうね」
ヒ「はい!!また!!」
そして
コーデルワイスは消えた。
ヒ「………次が…最後のお仕事にしよう……ワイス様を信じて…私も…変わるんだ……!!」
そして
あの夜へと移る。




