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第103毛 守る
兄さん
ウィッグ兄さんとヒルデお姉ちゃんは付き合ってるんだ
ふたりとも否定するけど
あんなに幸せそうなんだから
もはや付き合っているといって良いじゃないか
兄さんが幸せなら
ボクも幸せ
ましてや
ヒルデお姉ちゃんなら尚更だ
……………
兄さん
今日は遅いな
贈り物を買うんだとか言っていた
兄さんのことだから、きっと迷いすぎたのだろう
まったく
今、夜道は危ないと
皆話しているじゃないか
様子を見に行こう
大丈夫
ボクのスキルなら
兄さんやお姉ちゃんとか以外にはバレない
念の為、護身用のナイフも持って
…
……
………
兄さん
誰と話してるの…?
暗くてよく見えない…けど…
なんか…イヤな臭い…
………血の臭い?
…!!まさか…
だめだ兄さん
きっと例の殺人者だ
兄さんが
兄さんが危ない
どうし
どうしよう
……………いける
ボクの
ボクのスキルなら
バレずにいける
兄さんを守る
もう誰も苦しませない
ボクが兄さんを守る!!
……………殺人者の眼前まで迫る直前
兄さんの叫び声が聴こえた
ボクは
止まった
止まった
殺人者の顔が
お姉ちゃんだったから
止まった
止まった
はずなのに
……………
ナイフはお姉ちゃんのお腹に刺さっていた




