47話
超重大発表っ!!
いつも読みに来て頂き本当にありがとうございます!
そしてなんと……本作品の書籍化が決定しましたっ!!
レーベルはファミ通文庫様からの出版となります!
書籍化が決まったのはここまでずっと応援してくれた読者の皆様のおかげです!
ここまで沢山の評価やブクマをして頂き本当にありがとうございました!
また、書籍化に伴い本作品のタイトル名を変更させて頂きます。
変更前:いつもお互いに煽り煽られイキりイキられ罵倒しあう仲のネトゲ仲間と初のオフ会をしてみたら、そのネトゲ仲間は品行方正で知られる学園一の美人先輩だった話
変更後:煽り煽られしてたネトゲ仲間が品行方正な美人先輩だった話
タイトル名は上記となります。
また書籍版では色々と加筆修正を行っておりますので、既に読んでいる人でも十分に楽しめるようになっていると思います。
あとはWEB版ではサクッと飛ばしてしまった秋葉原のゲーセン部分も加筆しておりますので、神木君と七種先輩の楽しいやり取りを書籍版の方でも楽しんで貰えたら嬉しいです!
発売時期に関しては秋冬頃に発売予定となっております。
書籍版についての詳しい報告が出来るようになりましたら、また活動報告等でお知らせ致しますので、是非とも続きのお知らせを楽しみにして頂ければなと思います。
それでは改めてもう一度読者の皆様に感謝を伝えたいと思います、ここまで読んで頂き本当にありがとうございました! そしてこれからも良かったら読んで頂けたら嬉しいです!
ペコさんとペクスで遊んだ次の日のお昼休み。
「……(もぐもぐ)」
今日は生徒会の打ち合わせがあるので、俺はいつも通り一足早く生徒会室に来てご飯を食べていた。 でも……
「……(もぐもぐ)」
「……(もぐもぐ)」
でも俺の隣にはまさかの七種先輩がちょこんと座っていた。
俺は内心かなり緊張しつつも七種先輩の様子をチラっと見てみた。先輩は可愛らしいお弁当箱を机に広げてモグモグとご飯を食べていた。
(ど、どうしよう……めっちゃ緊張するんだけど……)
だって俺はあのオフ会以降、“七種先輩”と面と向かって会うのはこれが初めてなんだ。 もちろんその間に“ゴリさん”とは何度も通話してたけどさ……でもネットとリアルだとやっぱり全然違うじゃん! リアルの七種先輩と二人きりなんて緊張するに決まってるじゃん……
「……ふぅ……」
「……っ!?(ビクッ)」
そんな感じで俺はとても緊張していたんだけど……でも唐突に七種先輩が深いため息をついてきたので、俺はビクっとなってしまった。
(あ、あれ? でも……なんかデジャヴが……)
そういえば以前も一緒にお昼ご飯を食べていた時に先輩は深いため息をついていた。
えぇっと確かあの時は……そうそう、男子生徒達から言い寄られて困ってるという超ド級の爆弾発言を貰ったんだっけ。
(と、という事は……今回も同じような悩み事がある感じなのかな……?)
う、うーん、ちょっと気になるなぁ……という事で俺は意を決して先輩に尋ねてみる事にした。
「ど、どうしました先輩? 大きなため息でしたよ?」
「え……? あぁ、ごめんね、最近ちょっと疲れててさー」
「……っ!? つ、疲れですか……?」
(や、やっぱり……まだ男子生徒からの告白が続いているのか……!?)
「うん。 やっぱり受験勉強はしんどいよねー。 もうシャーペン持つの嫌になってきちゃったよ、あははー」
「え??……あ、あぁ、なるほど……! そうですよね、受験勉強は大変ですよね……ほっ」
どうやら先輩がため息を付いていた理由は受験勉強のしんどさからくるため息のようだった。
とりあえず先輩は今もまだ男子生徒達からの告白が続いているわけではなさそうなので俺はホッと安堵した。
「うんうん、本当に大変だよー。 ふふ、という事でさ、今日は何か楽しい話をしようよ。 神木君は何か最近楽しかった事とかある?」
「え? た、楽しかった事ですか? う、うーん……」
突然と七種先輩はそんな話を振ってきたので、俺は腕を組みながら必死に考えてみた。 いやでも最近の楽しかった事と言われてもなぁ……
「あ、そうだ! そういえば最近発売されたスト6が滅茶苦茶おもしろ……」
「神木君」
「えっ?」
「ふふ、もしかしたら君は知らないかもだけどさぁ……」
―― にこっ……!
「私……受験生だぞ??」
そう言って先輩はとびきりの笑顔を俺に見せつけてきてくれた。 俺はいつもとは違う意味でドキッとしてしまった。
(うっ……!)
いや確かに顔は笑ってるんだけど……でも目の奥は一切笑っていなかった。 いや普通に怖いんですけど!?
という事で先輩からの“受験終わるまで新作ゲームなんてもう買えねぇよ! そんな話題振るなタコ!”という無言の圧が凄かった。 うん、流石にこの話題は避けて違う話を振る事にしよう。
(うーん……でも他に良い話題なんて言われても何も思いつかないぞ……)
というか今更だけど先輩の好きな物ってゲーム以外だと何なんだろう? 先輩がゲームが好きだというのはわかってるけどそれ以外だと何があるんだろう??
(いや、今はそんな事を考えてる場合じゃないよな……とりあえず無難なものでも良いから何か話題を出さなきゃ)
先輩の好きな物も気になるけど……でもこのまま無言の時間を過ごすのは絶対に良くないので、俺は無い知恵を振り絞って何でも良いから話題を探してみる事にした。
「もぐもぐ……(ちらっ)」
「もぐもぐ……」
とりあえず俺はそんな事を考えつつ先輩の方をチラっと見てみると、先輩はピシっと綺麗な姿勢で机に広げているお弁当をもぐもぐと食べていた。
(……あ)
俺はそんな先輩の様子を見てかなり無難な話題を見つける事が出来た。 俺は早速それを先輩に振ってみる事にした。
「……そういえば」
「うん? どうしたの?」
「あぁ、いや。 そういえば先輩ってお昼はいつもお弁当なんですか? 学食とかで先輩に会った事って確か一度もないですよね?」
俺の昼食はお弁当の時とそうじゃない時の割合は半々くらいだ。 だから学食もそれなりに利用してるんだけど、でも先輩を学食で見かけた事は一度もなかった。
だから俺は世間話として、先輩は昼飯はいつもお弁当なんですか? という超無難な話を振ってみる事にした。
「あぁ、うんそうだよ。 毎日早起きして自分で作ってるんだー」
「へぇ、そうなんですね。 毎日早起きして作っ……えぇっ!?」
俺は無難な世間話をしようと思ったんだけど、でも先輩から意外な言葉が飛んできたので俺はビックリとしてしまった。
「じゃ、じゃあ、今先輩が食べてるそのお弁当って……先輩の手作りなんですか?」
「う、うん、そうだけど?」
「へ、へぇ、そ、そうなんですね……!」
い、いやちょっと待ってよ! 先輩の手作りのお弁当!? な、なんだよそれ……めっちゃ美味しそうな響きじゃないか……!
「え、ちなみに先輩はいつ頃から自分でお弁当を作るようになったんですか?」
「うーん、ちょうど2年生になった頃からだよ。 お菓子作りとかは前々からやってたんだけど、両親が共働きだからさ、これからは自分でもお弁当作ってみようかなーって思って初めてみたのがきっかけかな」
「な、なるほど……! いやでも自分で料理が出来るって凄いですね!」
「あはは、そうでもないよー。 友達に料理得意な子がいるからさ、時々その子に教えてもらってるんだよね」
「あ、お友達に料理を教えてもらってるんですね。 へぇ、それはめっちゃ家庭的なお友達そうですね!」
「うん、そうなんだ。 その子は割と何でも作れるから色々と教えてもらってるんだよねー。 あ、ちなみにだけどさ……バレンタインの時に生徒会の皆に振舞ったチョコもその友達に教えてもらったレシピなんだ」
「えっ!? あ、そ、そうだったんですか!? そういえばあのチョコめっちゃ美味しかったなぁー」
「あはは、そっかそっかぁ。 うん、そう言って貰えたなら頑張って作った甲斐があったってもんだよー」
そう……実は俺はバレンタインに七種先輩の手作りチョコを食べた事があるんだ。 いやまぁ手作りと言っても、そのチョコは生徒会メンバー全員に振舞われた義理チョコなんだけどね。
(でも懐かしいなぁ……あの時の手作りチョコめっちゃ美味しかったよなぁ……)
俺はバレンタインに先輩に貰った手作りチョコの味を思い出しながら、そのまま先輩の手作りのお弁当をチラっと覗いてみた。
先輩のお弁当箱にはハンバーグにきんぴらごぼう、さらに卵焼きとミニサラダが詰め込まれていて、とても色鮮やかなお弁当だった。 いやマジでめっちゃ美味しそうなお弁当だなぁ……
「めっちゃ美味しそうなお弁当だなぁ……」
「……え?」
俺は無意識のうちに心の中で思っていた言葉をそのまま口に出してしまった。 俺は恥ずかしくなって顔を赤くしながら慌てて弁明しようとした。
「えっ!? あ、い、いやその違くて! い、いや違くはないんですけど!! そ、そのえっと……! い、いや……めっちゃ美味しそうっす……」
「はは、そっか。 美味しそうって言ってくれるなんて嬉しいなー」
顔を真っ赤にしながら焦っている俺の様子を見て、先輩はあははと笑いながらそんな事を言ってきた。
「ふふ、それじゃあ良かったらさ、一口食べてみる?」
「え……えぇ!?」
すると七種先輩からまさか過ぎる提案をしてきたので、俺はさらに一段と焦ってしまった。
「え……え!? い、いやでもそんな……先輩に悪いというかなんというか……!」
「うん? いや別に私は食べて貰っても全然構わないんだけど……って、あぁ、そうか。 私の食べかけなんて嫌だよね……?」
「えっ!? い、いやそんなの全然気にしないというか何というか……!」
(むしろ先輩の食べかけとかご褒b……ってバカ野郎!! 変態か俺は!!)
そんな感じで俺の脳内は完全にパニック状態へと陥ってしまっていった。




