表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
41/48

40話

 とある日のホームルーム。


「それじゃあ来週から二者面談を始めていくから、それまでに進路調査票を記載して事前に提出しておくこと!」

「「「はーい」」」


 今日のホームルームは来週から始まる二者面談についての話だった。 二年生になった俺達も進路について考えていかなければならない時期が少しずつ近づいてきていた。


(うーん、進路かぁ……)


 俺は手に持っていたペンをクルクルと回しながら先ほど受け取った進路調査票を眺めていた。 これからは大学のオープンキャンパスとかもどんどんと始まっていくし、もうそろそろ行きたい学校とかを調べていかないとなぁ。


「……なぁ、志摩」

「うん? どうしたの??」


 という事でホームルームが終わった後、俺は友人の志摩に進路調査についての話を聞いてみた。


「志摩は進路とかってもう何か決めてたりするのか?」

「進路? あぁうん、まぁそうだね。 僕は教師を目指してるから教育系に力を入れてる大学に行こうと思ってるよ」

「え? あ、そ、そうなんだな。 うん、それは良い夢だなー、志摩が教師になれるように応援してるよ」

「あはは、ありがとね。 そういう神木君はどうなの? 進路はもう決めてる感じなの?」

「えっ!? あ、あー、えぇっと……いや実はまだ全然決めてないんだけどさ……あ、あれ? もしかして俺って結構ヤバイか?」


 志摩にそう聞かれた俺は若干しどろもどろになりながらそう答えた。 あれ、もしかして他の皆も具体的な進路ってもう決めてるの??


「いやいや、そんな事は無いでしょ。 まだ高校二年になったばかりだし、周りの人達も神木君と同じ感じだと思うよ?」

「そ、そうなのかな? いやでも志摩の話を聞いてたらちょっと焦ってきたわ……」

「あはは、まぁそれなら神木君も今のうちに将来の夢とかを考えておいたら良いんじゃないかな?」

「しょ、将来の夢?」

「あ、もし難しいようなら、もっとざっくりとした所から考えてみても良いかもね。 例えば神木君が興味ある事とか好きな事とか、あとはやってみたいと事とかさ」

「な、なるほど? う、うーん、でもやってみたい事かぁ……」


 志摩にそう言われたので、俺はやってみたい事や興味のある事、好きな事とかについて考えてみた。


「……あっ、でもやっぱりあれかな、プログラマーとかエンジニア的なのにはちょっと憧れるかもしれないな」

「あ、そうなんだね。 それはあれかな? 神木君はゲームが好きだからそっち系の仕事に興味があるって感じかな?」

「あぁうん、まぁそんな感じかな。 漠然としてるけど何か面白そうなアプリとか自分で作れたら楽しそうだなぁって思ってさ」


 かなりざっくりとはしてるけど、ゲーム好きな俺としてはプログラマーとかシステムエンジニア系の仕事は何となくだけど面白そうだなと思った。


「なるほどー、うん、それはすっごく良い夢だと思うよ! まぁそんな感じでさ、神木君の興味がある事とかやってみたい事をまずは沢山見つけてみれば良いんじゃないかな? その中でやりたい方向性とかを見つけられれば大学選びとかにも役立つだろうしさ」

「あぁ、なるほどな。 いやめっちゃ参考になるわ、ありがとな志摩!」

「うん、参考になったなら良かったよ」


 俺はそう言って志摩に感謝を伝えた。 志摩は相談とかするといつも親身になって聞いてくれるから本当に良い奴だよな。


「あ、ついでにさ、志摩から見て俺に向いてそうな職業とかってあったりするか?」

「え? 神木君に向いてそうなの?」


 せっかく親身になって相談を聞いてもらってるので、ついでに志摩から見て俺に向いてそうな職業がないかも尋ねてみた。


「うーん……あっ! じゃあさ、あれとかはどうなのかな??」

「ん? あれって?」

「ほら、神木君ゲーム上手いんだからさ、プロゲーマーとかは目指さないの? 今そういうって凄く流行ってるんでしょ?」

「えっ……えぇっ!? いやいや! プロゲーマーはマジで才能ないと無理だから!! 俺みたいな凡人が目指しちゃ駄目な世界なんだよっ!」

「へ、へぇ、そうなの?」


 志摩はプロゲーマーはどうだと言ってきたので、俺は全力で首を横に振りながら絶対に無理だと答えた。 いやマジでプロゲーマーは一握りの天才にしかなり得ない職業だから俺みたいな一般人には絶対に無理な世界だよ。


 でも普段ゲームをやらない人からしたらプロゲーマーがどれほど凄い職業なのか何て絶対にわかって貰えないよなぁ。 ゲームが大好きな俺としてはちょっと悲しいよ……もっとプロゲーマーという職業が世間一般に認知される日が来てくれたら嬉しいんだけどなぁ。


「うーん……あっ! じゃあさ、あれはどうかな? 動画クリエイター的なのはどう?」

「動画クリエイター? ヨーチューバーとかテックトッカー的な話か?」


 俺は心の中でそんな事を思っていると、志摩は新しい提案をしてきてくれた。 今度は動画クリエイターについてだった。


「うん、そうそう。 今ってそういうクリエイター活動をしてる学生もかなり増えてるんだよね? ほら、僕達の周りにもチラホラといるしさ」

「んー、まぁそう言われてみれば確かに」


 クラスメイトの中にはショート系の踊ってみた動画をテックトックに投稿してる女子もいるし、音楽が出来る子は演奏してみた系の動画をヨーチューブに投稿してる男子もいる。 あとまぁついでだけどキレながらゲーム配信をしてる脳筋ゴリラな先輩もいる。


「今時はそういうのも職業の内の一つになるんだし、ゲームが好きならそういうクリエイター業とかも視野に入れてみたらいいんじゃない? ゲーム実況とか配信とかも今は盛り上がっているんでしょ?」


 確かに今時はそういうのを本業(or兼業)にしてる人は沢山いるし、学生の内からやってる人も珍しくないよな。 うん、確かにそういうのも凄く面白そうな世界だとは思うんだけど……


「んー、いや確かにそういうのクリエイターの仕事をしてる人達は本当に凄いなっていつも尊敬してるんだけどさ、でも俺はそういうのは見てる方が楽しいって思う側の人間だから、そっち方面の仕事はいいかなぁ」


 でもやっぱり俺はそういうのはやる側よりも見てる側の方が好きだから、動画クリエイター的な仕事は自分には合わなそうな気はする。


「いやでも色々と提案してくれてありがとな志摩。 一人で考えてたら絶対にそういうの思いついてなかったから本当に助かったよ」

「あはは、うん、それなら良かったよ。 やっぱり一人であれこれと悩むよりも、色々な人から話を聞いてみた方が新しい気づきとかが得られて良いかもしれないよね」

「あぁ、うん、そうだよな。 そういえば俺のゲーム仲間にも社会人の友達はチラホラといるし、そういう人達にも色々と話を聞いてみるよ」

「あ、うん、それは良いね! それで神木君のやりたい事とかが沢山見つかると良いね」

「あぁ、本当にありがとな」


 俺の周りにはあたぎさんとか社会人の友達は何人かいるし、そういう大人な友達にも進路についての相談とかしてみよう。 それにあたぎさんの本職はシステムエンジニアだし仕事についても色々と聞いてみたいな。


(あ、そういえば……)


 ついさっきの動画クリエイター話をしていて思ったんだけど、そういえば七種先輩って進路はどんな感じにしたのかな? 個人勢でやってたゲーム配信も同接数1000人くらい呼べてたし、本腰を入れればそっち系の道にも進めそうだよなぁ。


 何だかちょっと気になってきたから今度通話する時に先輩の将来の夢とか聞いてみようかな? それで実は意外すぎる将来の夢とかを持ってたら面白そうだよな。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[一言] 転生される職業NO.1のプログラマーかー
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ