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移住手続き

ボッズの街の傭兵ギルドでミーザさんが依頼受諾をした事で俺達とミーザさんの契約は成立した。


 そしてミーザさんは受付さんに出発の挨拶をしていた。


「それじゃああたし行くから、ギルド長にもよろしくね」

「分かったわ、キッコでも頑張ってね」


 ミーザさんが挨拶を終えると、受付さんが俺にも声をかける。


「ミヤシタ様、ミーザさんをよろしくお願いします」

「あ、はい、分かりました」


 そう返事をすると俺とミーザさんはギルドを出て、ギルドの外で待つミミ達の元へと戻る。その際にミミが俺達に声をかける。


「あ、ユーイチ様、ミーザさん、契約はどうでしたか?」

「もちろん、受諾してギルドでも手続きをしたよ」

「じゃあこれから一緒にお仕事できるんですね、よろしくお願いします」

「ああ、よろしくね」


 ミミとミーザさんが仲良く挨拶を交わしている中、俺はその場にいる全員に話しかける。


「さあ、次は詰所に行ってキッコへの移住の手続きをしよう。お母さん、その荷物自分も持ちますよ」

「そう、じゃあ悪いけど頼むよ」


 とは言ってみたものの、半分ほど持たしてもらったが、やはりちょっと重いな。とりあえずこの重い荷物を4人で分割して休憩を挟んで運びながらなんとか詰所までたどり着く。


「はあ、はあ、とりあえず俺とミーザさんとお母さんで手続きをしてくるからミミはここで待っていてくれ」

「はあ、はあ、分かりました」


 息を整えつつ、俺達は詰所に入っていく。それにしても2人共あまり息を切らしていないな。傭兵で健康体のミーザさんはともかく、スキルで肺の後遺症を取り除いたとはいえ、昨日まで病気で寝込んでいたお母さんもあまり息を切らしていないのは元の体力がすごいのか?


 そう考えながら俺はまず詰所の兵士に声をかける。


「あのすいません先日キッコより訪れたミヤシタですが」

「どうされた」

「実はこの街との傭兵と契約が成立したので移住手続きをしたいので、ウォーカーさんをお願いします」

「しばし待たれよ」


 少し待つと兵士が戻って来て、無言でジェスチャーをして執務室へと案内され扉が開かれ、俺達は入室する。


「おお、来たか。契約は成立したようだな、さ、早く手続きをしてくれ」

「話が早いですね。実はお母さんも移住をさせたいという希望があるんですが」

「もちろん、それはありだ。家族そろっての移住なんて珍しい事でもないからな」


 ウォーカーさんの言葉を聞いて、ミーザさん達は手続き用の書類に必要事項を書いている。


 書き終えるとウォーカーさんが確認して部下にその書類を手渡し、俺達に声をかける。


「とりあえず、今キッコに届けさせた。今からあんたらがこの街を出たとしてもあの書類が先に到着して話が進むはずだ」


 よし、移住手続きも完了した。あとはこの街を発つのみだ。

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