内臓の後遺症
ミミの説得もあり、なんとか照射診断と俺のスキルによる後遺症除去をミーザさんのお母さんが受け入れてくれた。
スマホのカメラ機能で撮影を行い、今、画像診断を行っている最中だ。あ、液晶に何か表示された。
これはまさにレントゲン撮影をした時の写真だ。あ、でも待てよ!よく考えたら、俺レントゲンの写真を見ながらでも診断できねえじゃん!ど、どうしよう……。
困っている俺をよそにスマホの液晶にはなにか新しい画像が出始めた。どうやら肺の部分に矢印が出ていて、その矢印の始まりに文字が書いてあるぞ。とりあえず読んでみるとするか。
『肺機能が低下しております。直ちにスキル:最適化の使用をお勧めします』
なるほど、外部損傷や筋力の低下に関しては俺は専門家だが、内臓に関する医学知識はないわけではないが、専門医と比較すると大きく劣るからそんな俺にとっての良いサポート機能だな。
しかもしれっと、最適化のスキルは内臓の後遺症にも聞くことが分かって一石二鳥、いや、これでミーザさんと契約できれば三鳥にも四鳥にもなるな。
とにかくここまで分かれば、もう俺のやる事は1つだ。
「今、照射診断で分かったのですが、やっぱり呼吸の力が弱っています。これは病気による後遺症です」
「そ、そうなのかい……」
「ですがご心配なく、今度はスキルで後遺症を取り除きますので」
「それじゃあお願いするよ」
そして俺は肺に位置する部分に手をかざし、スキル名を叫ぶ。
「最適化!」
俺の手からは眩い光が放たれ、その光はミーザさんのお母さんの身体を突き抜けているように思える。
そうか、内臓を対象にすると光も内臓まで向かって行くのか。
お母さんやミミ達もその光景に驚いてはいるがお母さんが苦しんでいる様子は見られない。
やがて光が消えると、ミーザさんは呆然と一瞬するが、すぐにお母さんに声をかける。
「すごい……あ!おっ母、呼吸は大丈夫?」
「ああ、大丈夫だよ、全然苦しくないよ」
「おっ母、よかった……」
「ありがとう、ミーザ、あんたのおかげで助かったよ」
ミーザさんは涙を流しており、お母さんも涙を流しながらお礼を言って、ミーザさんがその言葉に返答をしていた。
「ううん、お礼ならあの人達に言ってよ」
「ありがとね、いつになるか分からないけど、治療費はちゃんと払うから」
「実はそれについては考えがありますので、ご心配には及びません、それより何ヶ月も前から寝たきり生活をされていたんですよね?」
「まあね、おかげで身体がなまっちまったし、ミーザの世話にはまだなりそうだよ」
そうするとリハビリメニューが必要だな。仕方がないあの方法を提案してみるか




