女傭兵登場
ボッズの街の傭兵ギルドで、俺は傭兵への依頼内容を受付より渡された書類に書き、それを提出し、とりあえず一旦ギルドを出て夜まで待つことにした。
街中で待っている間にミミが俺に話しかけてきた。
「ユーイチ様、先程のウォーカー様のお話だとあの比較的安全なキッコの街で長期契約を傭兵の人と結ぶのは難しいと思いますが」
「確かにそうだとは思う。傭兵に血の気が多い人が多いのは確かだろう」
「それでしたら何故ユーイチ様は長期契約にこだわるんですか?」
「ミミ、やっぱり俺は一緒に仕事をするならできる限り長く一緒にやりたいと思っている、1週間とかでサヨナラってなんか寂しくないか?」
俺がその言葉を発するとミミが返答をする。
「でも傭兵の方って、そこはドライな方が多いですし、あまり1つの所に縛られるのを好む人はそういないと思いますよ」
「まあ、なんにせよとりあえず今日の夜まで1度待って、だめなら明日に一旦キッコに戻ろう」
「その後はどうされるんですか?」
「そうだな、俺達がキッコに戻っている間に何もなければ少し条件を変えてみるさ」
そう言って、夜になり、再び俺達は傭兵ギルドに向かい、昼間にいた受付さんがいたから、現在の状況を尋ねてみる。
「すいません、ミヤシタですけど、俺の依頼を受けてもいいって人は来ましたか?」
「ミヤシタ様ですね、1名ですけど、もっと詳しい話を聞いて決めたいという方がいらっしゃいました」
「そうなんですね、それでその人は今どちらへいらっしゃいますか?」
俺が話を聞きたいと名乗り出てくれた傭兵の居所を受付さんに尋ねていると、後ろから声が聞こえる。
「ここだよ」
声のする方を振り向くとそこにいたのは女性であった、多少軽装だが確かに傭兵らしい装備をしているし、剣も身につけている。
その女性が更に俺に対し、声をかける。
「あんたがユーイチ・ミヤシタならあんたの依頼について詳しく話がしたい。ねえ、応接室を使っていいよね?」
その女傭兵さんは受付さんに応接室の使用の許可を求め、受付さんが応じる。
「ええ、どうぞ」
その言葉と共に、受付さんは俺達とこの傭兵を応接室に案内し、それらしき場所にたどり着くと、扉を開け、俺達に呼びかける。
「それではこちらの部屋をお使いください、終わりましたらまた私にお声をかけてください」
そして俺達は部屋に入り、しっかりと扉を閉める。
「では、契約内容についてお話を聞きたいとのことなのでさせていただきます、ええっと……」
「ああ、自己紹介がまだだったね。あたしはミーザ、この街で傭兵をやっているよ」
このミーザという傭兵が俺達に何を聞きたいんだろうか?




