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阿吽の呼吸

 さてと、とりあえずはまずは詰所だな。そこには俺の往診の監査の為に兵士の人が付いてくるし、往診の度に声をかけないとはいけないのだ。


 そのついでにアレフさんに相談してみるか。どのようなお知恵を拝借できるか楽しみだ。


 そんな事を考えながら俺は詰所に到着し、兵士の人に声をかける。


「こんにちは」

「おお、ミヤシタ殿か、早速往診に行くのだな」

「その前にアレフさんにお話ししたい事があるのですがよろしいですか?」

「ではしばし待たれよ」


 アレフさんは偉くて忙しい人だから、こうやって一々お伺いを立てなくちゃいけないのが手間なんだよな。


 もっとも、嫌な顔をせず、っていうか単に表情があんまり変わらないだけかもしんないけど、俺の話をしっかりと聞いてくれるだけ、とてもありがたいんだけどな。


 そう心の中で思っていると兵士が戻って来て、俺に言葉を放つ。


「お待たせした、とりあえず話を聞いてくださるそうだ」


 その言葉と共にジェスチャーで入ってこいと言われた気がしたので、俺はそのまま兵士の案内で執務室まで移動する。


「アレフ様、ユーイチ・ミヤシタ殿をお連れしました!」

「入ってもらえ」


 兵士が扉を開けると俺は執務室に入っていき、アレフさんからもジェスチャーでソファーに座って良いと促された。すっかり俺達この一連の流れに慣れたから阿吽の呼吸が成立しているな。


 そして阿吽の呼吸どころか俺が用件を話す前にアレフさんから俺に言葉がかかる。


「ミヤシタ殿、先の診療所荒らしは気の毒であったな、私に話というのもそれの相談なのだろう?」

「さすがはアレフさん、お話が早いですね」

「それで、我々への具体的な相談内容を聞かせてもらえるか」

「はい、これから俺とミミの2人共が診療所にいない事が増えてくるかもしれないので、その間だけでいいので見守りの人をつけてはもらえませんか?」


 俺の提案を聞いて、アレフさんが少しため息交じりに言葉を発する。


「すまないが、その要望は聞き入れられんな。我々も領主様より指定された人員と予算で街の警備をしている。君の診療所1つの為に人員を割いてしまえば、他の部分がおろそかになってしまうからな」

「そうですか……」

「とはいえ、さすがにこのまま追い返したのでは気の毒だから、住民の為に力を尽くしてくれている君には教えておいた方がいいだろう」


 警備人員をさすがに俺の診療所の為だけには割けないと話すアレフさんだが、他に方法があるようだ。それって何?何だろう?

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