認定!診療所
キッコの街があるコーロ地方領主のバートン氏の息子である二コラ君の足をスキル:最適化で治す事に成功はしたが、1ヶ月以上もベッドで横になる生活をしていた為、筋力低下があり、足にふらつきが見られた。それを見た俺はリハビリメニューを作成し、1週間領主の息子のリハビリに付き添う事となった。
とりあえず翌日は俺とミミが両サイドで二コラ君を支えながら部屋の中を歩く練習をしている。いきなり無理をさせると意欲を失いかねないから何度か休憩を挟んでいる。
その休憩中に二コラ君が俺に話しかけてくる。
「ミヤシタ殿、何故ミヤシタ殿はこの国の治癒士でも使えないような魔法が使え、僕達が知らないような訓練メニューを作成できるのだ?よければ聞かせてくれないか」
「はい、信じられないかもしれませんが、自分は別の世界から転移してきて、スキルは偶然獲得したんですが、元の世界ではそういう仕事をしていたんですよ」
「そうであったのか、信じにくい話だがもう2度と動く事がないと思っていた僕の足がこうやって動いているから事実なんだろうな。いずれにしてもありがとう」
こうやってお礼を言ってもらえるととてもありがたいな、この子のお父上がどう判断するかは不安だが、一仕事やったって感じがして今の俺の心は充実してるな。
そして1週間が経った頃、二コラ君の現在の歩行状況を領主様にも見てもらった。
とりあえず普通に館内を歩き回る事ができる様子を見て、領主様は安心した顔を見せる。そんな領主様に俺は更にメモを渡す。
「しばらくはまだ体力作りも兼ねて歩行訓練を主にしてください、体力がついてからの狩りの訓練の再会を勧めます」
「うむ、ミヤシタ殿、そなたのスキルと訓練メニューのおかげで二コラがここまで回復したに感謝するぞ」
「はい、ありがとうございます」
「それで、診療所とやらの開設だが、私の名で許可しよう」
え?今、許可するって言った?や、やったーーー!遂に遂にやったぞーーー!
「あ、ありがとうございます!」
「良かったですね、ユーイチ様!」
「これから領民の為に頼むぞ、ミヤシタ殿。もう下がって良いぞ、アレフ、ミヤシタ殿をキッコまで送ってやってくれ」
「はっ!」
アレフさんが馬車を取りに行くのを確認すると俺とミミもゆっくりと歩き出し館の外へ出る。
しばらく待っているとアレフさんと部下達が馬車と共に戻って来て、俺達は乗り込んでキッコの街へと戻っていく。いよいよ俺のこの世界での仕事が始まるんだな。




