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76話

 ピチピチと跳ねるカミナリウオの前に黒龍剣を持って立つ。説明を見ると、なにやらこの黒龍剣は魔力を消費してあのブレスを再現できるらしい。ただ威力は少し劣るようだ。

 威力が下がるといってもあの爆発だ。ギリギリカミナリウオが見えるくらいまで距離をとって、黒龍剣をかまえて魔力を通わせると、剣が黒く輝き刀身に黒い渦のような物がまとわりつく。どんどん魔力が吸われていく感覚がする。どこまで吸うのだろうと吸わせ続けると、魔力が吸われる感覚がなくなる。


「これで撃てるのかな、剣だし振ればいいのか?」


 剣を振りかぶり、カミナリウオめがけて振りおろすと。黒い力の奔流が放たれた。カミナリウオが攻撃を防ごうと放電を放ち一瞬光るが、それを物ともせずに光線は敵を消し去り、遥か向こう側のボス部屋の壁にあたると、凄まじい爆発を引き起こした。

 剣を振り抜いた姿勢で固まる。威力が劣るはずでは? ゼロのブレスと遜色ないように見えるんだけども。

 このごっそりと減っている魔力が原因か? 魔力依存で威力が上がるとかあるかもしれない。

 ゼロがやるなと称賛してくる。強いのは良いのだが……街中では撃てないな。それに魔力の消費量的にも連発は無理そうだ。他の魔法やスキルを使うことを考えると、今のところせいぜい一日に二発程度だろう。

 そんなことを考えていると、シュナイダーがこの後どうするのかと尋ねてきた。


「うーん。どうする? ブラックドラゴンともう一戦くらいしてシュナイダーの分も黒龍剣取っておく?」


 シュナイダーが剣も使えなくはないけど、やはり爪系の装備が使いやすいから良いやというので、休憩を挟みダンジョンの三階層以降で進化の宝玉を試すことにした。

 三階層以降のモンスターで進化したモンスターはサンドマンだけで、思ったより収穫はなかった。このサンドマンはロックゴーレムという体長五メートルほどのモンスターに進化した。最初は盾役に良いかと思ってテイムすることも考えたが、動きが遅すぎるし黒龍剣で簡単に倒せてしまったので、勧誘は見送った。


 86番 ロックゴーレム アイテム1 セメント粉 アイテム2 ゴーレムコア


 現在挑戦できる第五階層まで攻略を終えたので、追憶の広間に戻ってきて久しぶりに交換所を覗いてみる。

 交換できたのは、各着ぐるみ装備シリーズにゴーレムコアと骨で交換できる動くアニマルフレンズ。これは背中に魔力の結晶を入れると、一定時間動いて簡単な命令を実行するアイテムだ。交換所アイテムコンプリートのために交換したが、正直あまり使いどころはないかもしれない。

 他には鋭い爪に雷狼の毛皮、粘着糸と蜜蝋でサンダークローという爪装備が交換できた。これはシュナイダーに装備させる。あとは花カマキリの大鎌と骨、毒蛇の牙、蜜蝋で毒花の大鎌という鎌装備も交換できた。


「うーん、上級魔法はまだアイテムが足りないな……まぁ火力的には黒龍剣がかなり強いし、しばらくはこれでいってみるか。いぬさんありがとうごさいました」


 交換リストをいぬさんに返して、今度はねこさんに闘技場の五戦目に挑戦させてもらいサッとクリアする。


「人間さん。かなりお強くなられましたにゃ」


「その剣カッコいいわん。アレみたいですわん」


「あー、たしかに」


 前にいぬさんがプレイしていたゲームに似た武器が出てくる。


「そういえば、あのゲームはクリアしたんですか?」


「三作ともトロフィーコンプしましたわん」


「おお、素晴らしいですね。ねこさんは何やってるんですか?」


「このパズルが解けなくてマガタマがとれないんですにゃ……」


「あー、これですか。自分も当時めちゃくちゃ苦労した記憶が……途中からできないのがキツイんですよね」


「そうなんですにゃ、順番もあるしずっとはできないんですにゃ」


 たしかにモニターを一台しか渡していなかった。自分に兄弟はいなかったが、学生時代の友達はゲームの順番で兄弟喧嘩もあったという。そもそもたいていの家が、ゲーム機はあっても一台とかだろう。しかもソフトは兄弟共有で、RPGのセーブデータが消えたり上書きしたりで色々と大変なこともあるという。ゲームハードは色々置いていたが、モニターが一つでは順番待ちが発生するか……


「わかりました、今度モニター調達してきますね」


 ありがたやーとねこさんといぬさんに拝まれながら追憶の広間を後にする。ここで今できることはやったし、そろそろ外の探索に戻ろう。

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