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VRマシン・グリフ王国への道  作者: ai56go
変化するラナ
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API

 木はみずき、石はみずしずむ。

 物は地面に落ち、けむりは空へのぼる。


 何の変哲へんてつもない、日常の出来事できごとである。

 それを物理演算ぶつりえんざんアルゴリズムが再現シミュレーションしている。


 風の流れや水の流れをふくむ現実世界の物の動き、古典物理学こてんぶつりがく範疇はんちゅうなら現実世界を完全にコンピュータ内で再現シミュレーションできる。

 物理演算ぶつりえんざんアルゴリズムはすで規格化きかくかされており《グリフ王国》もその規格きかくのっとっていることをインターネットで知った。


 しかし、いくら《グリフロード》が巨大なコンピュータと言っても、無限とも思える物質ぶっしつを全て演算えんざんすることはできず、まやかしエミュレーションたよる部分が多いのが現実のようだ。

 肉が焼けたり、鉄がサビたりするなどの科学反応もまやかしエミュレーションらしい。だから現実世界の現象と異なる。


 動植物の成長や、微生物の働きなど、《グリフ王国》の世界がどこまで現実に近いのかためしてみたくなる。

 俺が理解できたのはこれくらいだ。コンピュータープログラミングを勉強してはみたが、すぐに分かるものではなかった。


 それでも役立つ知識を少しは手に入れられた、防御力や攻撃力はある場所の数値すうちを増やせば、簡単に強化できることが分かった。

 公開されたサンプルプログラムをじっくり見ているうちに、貨幣かへいの増やし方が分かった。今あるプラチナコインをコピー&ペーストで簡単に増やせることが分かった。


 運営会社が公開したコンバートアプリを使えば、フリー素材の3Dオブジェクトを《グリフ王国》の世界に簡単に取り込める。

 フリー素材の手漕てこぎボートをインターネットからダウンロードし、《グリフ王国》の世界にアップロードした。釣り竿もアップロードした。ボールもアップロードした。

 物は簡単にアップロードできるのだが、生き物は簡単ではない。犬の3Dオブジェクトをアップロードしたが、生き物の犬ではなく、犬の置物おきものとして認識されてしまった。ペットは簡単には作れないようだ。


 これらを《グリフ王国》の俺のアカウントにアップロードはしたものの、いろいろな物がある日突然とつぜん、小屋の前に落ちてあるのは不自然に思う、これらの物は、《アントレア・シティー》の雑貨屋の店先に置くことにした。どうなるかはわからない。


 そしてクエストを一つ作る。宝さがしのクエストを。


 プラチナコイン一万枚入った宝箱を《魔物の洞窟》につうじる坑道こうどうに埋めた。そして宝の地図を書いて、俺の小屋の近くの木の根元ねもとに簡単に分かるように埋めてみた。


 ……そうだなぁ。どうせなら、ラナへのプレゼントも入れておこうか。


 インターネットでラナに似合いそうなローブを探す。ローブをそのまま《グリフ王国》にアップロードするのは味気あじけない。


 Blenderブレンダーという3Dグラフィックスソフトを使ってラナへおくるローブをカスタマイズする。ポリゴンを一枚一枚つなわせて作る。テクスチャーで模様もようけてもいいのだが、ポリゴンで模様もようを作った方が光源こうげんで色が変わり見た目が綺麗きれいだと考えた。

 ポリゴンを作成する作業はむずかしくはないのだが手間の掛かる作業になる。れてくるとちまちました操作が苦痛くつうでしかない。

 なんでこんな単調たんちょうなことやってんだ、たかがゲームで。そう考えてしまう。


 それでもラナが喜ぶ姿を想像すると作業がはかどる。


 できあがったローブに『ラナのローブ』と名前をつけ、全てのパラメータを最大値(MAX)にしようかと考えたが、ラナが強くなりすぎるのもどうかと思う。防御力だけを最大値(MAX)にして、プラチナコイン一万枚と一緒に宝箱の中に入れ、その宝箱を坑道になおした。


 どうなるかからない、それでも希望は感じる、ラナと楽しく過ごせる気がする。

 次の予約日が待ち遠しい。


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