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カスタムソルジャーGT  作者: バームクーヘン
第2章 衝撃の決戦
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第7話 最強

「セイカちゃん、何年生?」


「オレは、1年だけど」


「わぁ! 一緒だね!」


セイカは隣でぴょんぴょん跳ねるアヤに苦笑した。本当にこの少女があのヤマトの娘なのだろうか。

ヤマトと違って落ち着きが感じられない。


ヤマトはGキューブの前に立つとセイカへ話し掛けた。


「それじゃあ、セイカちゃん。早速、特訓を始めようか」


「はい!!」


セイカはPCDを構え、Gキューブの前に立つ。

何年ぶりの再会だろうか。それをゆっくり考える間もなく戦うことになるとは。


もっとも、それも自分らしい。言葉よりも、ファイトすることの方が一番相手と心を通わせることが出来る。



「コスモギャラクシー!」

「ブラスター・ウイング!」


二体のカスタムソルジャーがフィールドに降り立つ。コスモギャラクシーの前に立つのは蒼白の機体。

神々しい機械的な翼を持ち、ビームジャベリンを構えて待ち受ける姿は何者をも寄せ付けない威圧感を放っていた。


コスモギャラクシーはそれをものともせずにブラスター・ウイング目掛け直進する。

ブラスター・ウイングは降り下ろされるビームブーメランをかわし、ビームジャベリンでコスモギャラクシーを斬りつける。


コスモギャラクシーは素早く繰り出される攻撃をどうにかかわしつつ、反撃に移るも軽くビームジャベリンで弾かれて体勢を崩される。

体勢を崩されたコスモギャラクシーを、ブラスター・ウイングは思いっきり蹴っ飛ばし、今度は変形して距離を取る。


バルカン砲を放ちながらブラスター・ウイングはコスモギャラクシーに急接近する。コスモギャラクシーは、ビームブーメランを回転させてバルカン砲を凌ぐが、高速で突っ込んで来たブラスター・ウイングに突撃され、バランスを崩す。


変形を解除し、ビームジャベリンを展開したブラスター・ウイングは畳み掛ける様にコスモギャラクシーを斬りつける。

反撃にビームブーメランを横に振ってきたコスモギャラクシーの顔面をビームイーザーで軽くどつくと、またコスモギャラクシーを蹴っ飛ばした。


「く……」


セイカはヤマトのシールドも攻撃に使う畳み掛けに驚いていた。

しかし、ヤマトはそんなセイカの動揺を知ってか、首を横に振る。


「こんなのは意外でもなんでもないよ。君は、こんなことで驚いていちゃいけないんだ」


「オレは……」


「君の倒したい相手……天海レインは、この遥か先にいる」


ブラスター・ウイングがビームジャベリンを振りかざしてコスモギャラクシーを襲う。

コスモギャラクシーは、ビームブーメランでそれを受け止めると、すぐには反撃せずに一歩下がり、地面に向かって掌からビームを放つ。


周囲に煙が広がり、コスモギャラクシーの姿が見えなくなる。その隙を突いて、コスモギャラクシーは不意打ちでブラスター・ウイングに攻撃を仕掛ける。

ブラスター・ウイングはビームブーメランをビームジャベリンで受け止め、反撃に出る。コスモギャラクシーは正面から受けてたち、両者の武器が激しくぶつかり合う。


「いいよ。このスピードには着いてこれるようになったみたいだね。じゃあ……もっとペースを上げるよ!」



ブラスター・ウイングのビームジャベリンを繰り出すスピードがグングン上がっていき、コスモギャラクシーも負けじとスピードを上げていく。

しかし、やがて無理が来たのか、コスモギャラクシーの腹に一撃が加えられ、そこから怒濤の勢いで攻撃が加えられ、セイカが反撃て出る暇もなくコスモギャラクシーはダウンフェイズを迎えた。


セイカは呆然とした顔でフィールドを見つめていた。自分は今まで本当にコスモギャラクシーを操作していたのだろうか。あんな速度で動かしたことは今まで一度も無いし、今やれと言われても出来るとは思えない。

しかし、あいつは……天海レインはまだ自分よりも遥か高みにいる。


そう感じたセイカは、すぐにヤマトに頭を下げて頼んだ。


「ヤマトさん、もう一回お願いします!」


「うん、続けていくよ」


ヤマトは優しく微笑むと、PCDを構え、再びバトルの準備をする。

そんな二人を見て、アスカは溜め息を吐いた。



「全く、皆してカスタムソルジャー馬鹿なんだから」


「お母さんもでしょ?」


そんな軽口を言うアヤの額に軽くデコピンを当てる。

そして、セイカのバトルを分析する。


(手加減してたとはいえあのヤマトのスピードにバトル中に追い付くなんてね。確かに凄い才能だわ)


アスカは思わず笑みを零す。

こんな風に次の世代が次々と力をつけていく。それこそカスタムソルジャーの更なる発展に繋がる力となるのだから。

特訓に明け暮れる二人の様子を、アスカはいつまでも見つめていた。


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