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カスタムソルジャーGT  作者: バームクーヘン
第1章 ニュージェネレーション
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第1話 地球で輝く、星の花

カスタムソルジャー。

それは、世界規模で玩具として広まり、人々に愛され続ける小さな戦士達のことである。

多くの者がその頂点を目指し、日夜己の機体を、自分自身を磨き、戦い続けている。

そんなカスタムソルジャー界に大きな衝撃を与えた出来事があった。

自分の機体を手に入れてから数ヶ月の少年が、長年世界の頂点に君臨し続けたファイターを、世界大会の最終戦で倒したのだ。


翼ヤマトとエクレール・テロメアの戦い。

その日から、17年の月日が過ぎた……






「よーし、次いくぞ」


金髪の少年が自分より年下の子供たちと、河川敷でカスタムソルジャーをしていた。

少年の名前は橘ヨル。小学三年生で、近所の子供たちのリーダー的存在だ。

近所の大会での優勝実績もあり、下級生に慕われている。


「ねー、ヨル兄ちゃんと本気で戦いたいよー」


一人の子供が言い出すと、全員がねだり出し、ヨルはほとほと困り果てた。

初心者から抜けきれない下級生を相手に本気で戦うのも大人げないと思い、ドゥルーツなどの市販機で手加減していたが、そろそろチビ達も不満になってきたようだ。


「どうしたもんかね……」


と、ヨルが困っていると、何者かが高笑いしながら近づいてきた。



「ガッハハハハハ!」


全員が声のする方に振り返る。

そこには、大柄な子供が立っていた。


「ゴンフレラ……」


「お前ら、まだそんなひょろっちいパツキンの言うこと聞いてんのか? やめとけやめとけ。一番強いのは俺様だ!」


ゴンフレラはほくそ笑みながらヨルを挑発した。

こいつはいつもこうで、父親と違って自分が金持ちだからと威張ってばかりだ。

だからヨルは適当に追っ払おうとする。


「いい加減にしろ。お前に構ってやるほどお人好しじゃねぇんだ」


「何だ!? 怖いのか? だったら泣いて謝ったら見逃してやってもいいぜー? もしかして、替えの機体じゃ俺に勝てないと思ってびびってんのかー? よくそんな臆病者が替えの機体でガキ共と遊べるなぁ?」


ゴンフレラの言いように腹を立てた子供たちが、ヨルに戦うように頼み始めた。


「兄ちゃん!! あんな奴やっちけてよ!」

「お願い!!」

「やっちゃえー!」


ヨルもここまで来たら仕方ない……と思い、ゴンフレラの挑戦を受けようとした瞬間、






「おいおい、喧嘩なら殴り合いでもしろっつーの。デブ&キイロ」


誰かが、横槍を入れた。

その声を聞くと、ヨルは溜息をつき、ゴンフレラは仰天した。そして、その人物を指さす。


「お、お前は……」


その人物……白いハチマキとカクカクのコート、短いホットパンツを身につけた少女は、ニッと笑った。

ゴンフレラが、少女の名を叫んだ。


「お前は…………こよみセイカ!!」


セイカは、PCDをゴンフレラに向け、微笑みながら、力強く告げた。




「どーしてもってんなら、オレとカスタムソルジャーしようぜ。喧嘩じゃなくて、遊びでな」

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