表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
異世界に行ったら妹ができた  作者: 紅葉コウヨウ
第五章 とりあえずリベンジ就職してみる

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

76/155

第七十五話

「何であたしがそんな事しなきゃならないのよ、このバーカ!」


「は、放すのじゃ! 我の尻尾が抜けてしまうのじゃ!」


「うっさい、あんたが悪いんだからね!」


「くっ、黙っておれば! おぬしも同意の上だったじゃろうが!」


「身体測定する必要なんてないでしょ! だ、だいたい何で胸のサイズまで測らなきゃならないのよ!」


「一応じゃといっているのじゃ!」


「ふんっ! わかってるんだからね! 自分の胸もあんまり大きくないからって、あたしの胸のサイズを測って安心しようとしてるんでしょ!」


「だから違うといっているのじゃ!」


 ……さわがしい。


 マオの部屋という名のとんでもない広い空間――よく中世ヨーロッパの城とかで玉座の間とか言われちゃいそうなそんな空間の端、俺は騒がしくじゃれあう?二人を見る。


「とにかくじゃ、我は後学のために調べたいのじゃ!」


「いや!」


「おぬしだってさっき自分の魔力を調べさせると了承したのじゃ!」


 ぐだぐだだ。

 というかこれ……はたして俺がついてくる必要があったのだろうか。


「…………」


 俺はしばらくの間、額に手をあててここにいる理由を考えてみる。


「……うん」


 ないな。

 俺がここに居る理由はまるでない。


「なぁ、二人とも」


「早くするのじゃ!」


「あたしに命令しないでよね!」


 ……これ、無視されてないか。


 ここに来てようやく理解した。

 どうやら俺はしばらく前から、新手の放置プレイをされていたらしい。


 念のためにその後、何度か声をかけ続けてみるが、ヒートアップしている二人にはまるで届かない。

 俺はいよいよもって本格的にここに居る理由がわからなくなってくる――そもそも、ミーニャは一人でエリスを泊まらせるのが心配なのであって、何も付きっきりで行動しろと言われたわけでもない。


「俺、ちょっと出かけてくるわ」


 未だ白熱する二人に一応声をかけ、俺は一人玉座の間を後にするのだった。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ