第六十四話
「っ――いったい何なんだよ!」
思わず目を細めてしまいそうになるほどの閃光と爆音。
その正体を知るためにミーニャに声をかけるが、
「わからないんだよ!」
どうやらミーニャもわからないらしい。
という事は、彼女が何かしたという訳ではないらしい。
「…………」
俺は話の流れから、ミーニャが変態疑惑のある俺に魔法をぶっ放したのだと思ったのだが、どうやら違ったらしい。
というか、そもそもこの地下室では魔法が使えないのだった。
そう考えると、ミーニャが何かをしたというのは真っ先に除外してよかったな。
最近の俺はあまり頭を使う機会がないから、どんどん回転率が悪くなっている気がする――そろそろリハビリが必要かもな。
いっそ、マオの所に行って魔法を習うのもいいかもしれない。
俺に魔力があるのかは不明だが、取りあえず魔法の勉強は頭を使いそうだし、仮に魔法を習得できれば、就職にも便利だろう。
「うっ」
就職。
嫌な言葉を思いだしてしまった。
別に就職したくないわけではないが、最近はその言葉になんだかトラウマを感じる。
やはりすぐにクビになったことが影響しているのだろうか。
と、俺の脳内思考がなんだかズレ初めてたところで、
「あたしを呼んだのは誰?」
などと、声が聞こえてくる。
今まで聞いた事のない声。
少なくとも、この部屋に居る俺とミーニャのものではない声。
じゃあこの声はいったい――
「なんか言いなさいよね! っていうか、この煙なんなのよ!」
そんな声が聞こえた直後。
閃光の後にモクモクと室内を満たしていた煙が突如消えうせる。
「なっ!?」
「えっ!?」
重なる俺とミーニャの声。
煙の奥から出てきたのは、全裸の女の子だった。




