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異世界に行ったら妹ができた  作者: 紅葉コウヨウ
第四章 とりあえず何かしてみる

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第六十三話

「お兄ちゃん……もう生きていけないよ」


「いや、大丈夫」


「でも」


「大丈夫だ、人生生きてればそれくらいの事ある」


「人の前で壺に……その、あれをするような事が?」


「……あ、あぁ」


「その間がミーニャの胸に突き刺さるんだよ!」


 と、何やら古めかしい壺を胸元に抱きながら、地下室の隅っこに座って縮こまっているミーニャ。


 まぁ気持ちはわかないでもない。

 さっきはミーニャを元気づけるためにああ言ったが、仮に彼女と同じ状況になったことを考えると……うん、すごく鬱だ。


 とかなんとか考えていたら、この部屋の空気が凄く息苦しく感じてきた。

 よし、ここは大きく深呼吸をしよう。


「すぅううううう~~~~~~はぁぁあああ~~~~~~~~~~~~~っ」


 もっと大きく、ゆっくりと!


「すぅうううううう――」


「お、お兄ちゃん!」


 と、何やら顔を真っ赤にしたミーニャが半眼――俗に言うジト眼で俺を見ながら言う。


「……エッチ」


「は?」


「そんなに匂いを嗅ぎたいなんて、エッチなんだよ!」


「……は?」


 まるで意味がわからない。

 どうして俺は今、妹様からエッチと罵られているのだろう。


「ん?」


 首を傾げてミーニャの動作を観察していると、壺を大事そうにギュッと抱きしめ、俺から隠そうとする。


「…………」


 大きく深呼吸する。

 妹にエッチと言われる。

 色々と危険な壺を俺から見えないように隠す。


「っ!」


 突如、全てのピースがつながった。


「ちがう、断じて違うぞ! 俺はそういうのじゃない! そういうのじゃないんだ!」


 勘違いしている。

 ミーニャは絶対に何か勘違いしている。

 それも大きな勘違いを、確実にとんでもない勘違いをしている。


「いいかミーニャ、俺は――」


 言いかけたその時、凄まじい爆発音と共に辺りを閃光が覆った。


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