表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
異世界に行ったら妹ができた  作者: 紅葉コウヨウ
第八章 とりあえず問題解決してみる

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

129/155

第百二十八話

「なぁ……よければ教えてもらいたんだが」


「何よ!」


「あぁ、えーとだな」


 俺はこんな状況にも関わらず、元気に隣を歩いているエリスに対し言葉を続ける。


「当初は炬燵をどうすればいいのかって事だったよな?」


「そうね。あんたが炬燵が小さいとかいうから、それをどうするかって話だったわ!」


「だよな、そーだよな」


 なのに俺は今、いったい何をしているのだろう。

 まぁだんだんと俺の行動が主軸からずれていくのは、毎度のことなのでさして驚かなくなってきだけどさ。


 半ば何かの境地ともいえる俺の心境だが。

 それでもやはり思ってしまう。


「もはや炬燵と関係ねぇよ!」


 そう、現在俺とエリスは炬燵とは全く関係ない事をしている最中だ――すなわち、凍り付いた家を溶かすために出かけたミーニャとリゼットを探すため、彼女達が差がしているマジックアイテムのある場所に向かっている。


 うん。

 頭の中で文章にして整理してみたが、やはり読むのが面倒くさそうな文章になったな。


 正直な話をすると、どうせ放っておいても二人は帰ってくるわけなので、自宅の前で待機しているなり、俺たちもマオの城に向かうのでもよかったのだが。


「さすがに任せっきりにするのもなんだしな……」


 認めることは不本意だが、家がああなった原因の一つには、俺が取った行動――リンが入った炬燵の温度を、マックスにするように命令したってのがある可能性がある。


「はぁ……本当にどうしてこうなったのか」


 と、俺がそこまで考えたところで何やら視線を感じたので、感じた方を見てみると。


「…………」


 ウワァとでも言いたそうな顔で、こちらを見ているエリスと眼が合う。


「何だよその眼は。何でこっち見てるんだよ?」


「べ、別にあんたの事なんて見てないんだからね! 勘違いしないでよね!」


 今度は「ふんっ!」と明確に言葉にしてそっぽを向いてから、彼女は続けて言う。


「ただちょっとドン引きしてただけよ。だってあんた、独り言多いんだもん!」


「ちょっとドン引き……な」


 まぁドン引きするのは結構だが、そりゃあ独り言も多くなる。

 これだけ心労が溜まれば独り言も多くなるさ。


「はぁ……」


「爺さんみたいね、もっとしっかりしなさいよね!」


「しっかりはしてるよ。それに爺さんバカにすんな」


 こんな益体もないやり取りを普段んの調子で続けつつ、俺たちは二人が向かった場所に向かうのだった。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ