第百十五話
「第十八回! 枕投げ大会!」
「わ~……」
一つしかないベッドの上でジャンプしながら跳ねまわるエリス。
それを真横の床から見上げる形で、テンション高そうに?手を叩くリン。
「…………」
うん。
「何が十八回なんだよ!? そんなに枕投げ大会したことないだろ! 少なくとも、俺にはそんな記憶ねぇよ!」
「何よ! あたしがパパと一緒にやった回数も含めてるんだから当然の回数でしょ! なんか文句あるの?」
「……さいですか」
もう文句ないよ。
枕投げでも、俺の精神削り大会でも好きにやってください。
「でもどうするんですか……枕、二つしかないです」
「あんた魔法凄いんでしょ? 増やしなさいよね!」
「何をですか?」
「枕に決まってるでしょ! 早くしないと許さないんだからね!」
「……鬼畜です」
鬼畜ですなどとは言いながら、それなりにノリノリで枕を増殖させていくリン――こいつの性格から言って、何だかんだで遊びたいのだろう。
だがしかし。
「しばらく散歩してくるから、俺が出たら部屋の鍵かけてな」
俺は遊びたくない。
理由はただ一つ――今日はもう疲れた。
今日の夜は一つのベッドの上に、三人で眠らなければならないのだ。
普通に考えても寝にくそうな状況にもかかわらず、一緒に寝る奴らがエリスとリンとなれば結果は火を見るよりも明らかだ。
よって、俺は少しでも体力と精神力を温存するために、余計なイベントには参加しない。
そう決めた。
決めたのだが……。
「あれ?」
ドアノブを回しても扉が開かない。
まさかこのタイミングで壊れ――。
「お兄さん、この部屋を外の空間から切り離しました……ドア、開きませんよ」
「……おまえ」
どうでもいいときだけ、やる気だしやがって……このダメ狐は。
すごい今更ですが、最近ツイッターの放置プレイやめたので、よかったらフォローしてください。してくれると狐っ娘になるくらい喜びます。
IDはdekusia21ですお




