第百十一話
映画やアニメの主人公みたいな奴は、現実には存在しないと思っていた。
少し考えればわかる事だ。
ヒロインに物を頼まれれば、どんなに面倒くさがっても結局は承諾してしまう。そんなある意味では心が広い奴など、現実世界に居るはずがない。
真実はどうだか知らないが、俺は少なくともそう思っていた。
「なのにどうだ」
俺は溜息をつきつつ、リュックのような形状をした袋(以後リュックと呼ばせてもらう)に入った荷物を背に、一人街道を歩いている。
「俺は今、いったい何をしているんだ」
マオに散々文句を言ったのに。
映画やアニメがどうの考えて居たのに。
「バカか俺は……」
ゲアラブアを買ってきてほしい。
こんなのどう考えても仕事じゃない、ただのパシリだ――だいたい、どうしても欲しいのなら、魔法でも何でも使って自分で買ってくればいい。
「なのに結局承諾してしまった……」
ま、まぁニートから脱却出来たと前向きに考えればいいか。
……うん」
「パシリも仕事、だよな?」
何だか胸にクエスチョンマークで出来たしこりが大量に残ったが……まぁよしとしよう。
「目を背けてはならないものがあるように、きっとこの世界には目を背けなければならないものがあるんだろう」
と、俺が再度溜息を吐いた瞬間。
「ぶもぉおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおっ!」
野生のクーが……否、オークがエンカウントした。
えーとですね。
デレステとグランドオーダー廃人になっていて、すみません。
ひぃ!




