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前世がコミュ障男な僕がVtuberになれますか?  作者: カムカム
6章 コミュ障、新たな仲間!?
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55話 大規模イベント開催!?

それは夏休みの終わりが間近に迫った頃、Monster Liveのグループチャットにて連絡が入った。


『Monster Live主催のVtuberイベントを開催します』




Monster talk Liveを終えた頃から更に勢いを増してVtuberの数が増え、今となっては企業勢だけでなく、個人勢も数を増やしていた。

そんな中Vtuber時代の先駆けとなったMonster Liveとしては、こうしてこの界隈が盛り上がり続けることが何よりである。

ということで、Vtuberとしてデビューし登録者が一定数いれば参加できるというイベントが開催されると公開された。


内容は五人1チームで分かれ、計12チームの六十人で行われるバトルロワイヤルゲーム。

各チームに一人ずつMonster Liveのライバーが入り、残りを参加した他のVtuberで構成し大会を開くというもの。

だが、話が盛り上がらないと配信も盛り上がらない為、登録者数によって枠が決められている。

例えば、登録者五千人の新人さんがいるチームには登録者十万人超えのライバーの方を同じチームに入れるなど、フォローできるような状態にするのだ。


「ということで、皆さんよろしいですか?」


マネージャーの葵さんの声で我に帰る。


「私は大丈夫です〜!

どんな人とチームになるのかな〜」


「私も大丈夫ですわ、初対面の人と話すのは慣れてます」


「私も問題ないです」


「え...えっと、僕も...頑張ります...」


「そうですね、狐狐さんは人に慣れてもらうということも兼ねてのイベントとなります。

狐狐さんのチームには念のため個人勢でも有名な方に入ってもらいますが、狐狐さんも押されないように頑張ってくださいね」


「う...頑張ります...」


「リラックスだよ、狐狐ちゃん!」


「狐狐ちゃんならできる...はず...」


「はずってなによ...とにかく落ち着いて話すのよ」


三人からそう言われる。

もう心配されないよう今回のイベントで成長した姿を見せられるように頑張らなくちゃ...!




トイッターでの盛り上がりは異常だった。

これまではファン達の盛り上がりでも凄いものだったが、今回はVtuberの人達も参加したい!と盛り上がりを見せていた。

それもそのはずだろう、デビューしていても見られるきっかけがなくては面白い話をする人でも日の目を浴びることはない。

トップVtuberグループが主催するイベントとなれば嫌でも視聴者は多いだろう。

有名になる為、またはMonster Liveのライバーに会う為に応募するVtuberが大勢いた。


応募期間が終了し数日、応募数が凄まじい量となり登録者数でグループ分けされそれぞれで抽選が行われた。

運良く当選したVtuberは早速自分のチャンネルで告知配信を行う。

もちろん抽選が決まれば配信で発表しても大丈夫と事前に知らせている。




僕はというと夏休みが終わり、学校にいた。

周りは一皮も二皮も剥けたような同級生ばかり。

男子は筋トレで腹筋を割り、日焼けして黒くなっていた。

対する女子は髪をバッサリと切ったり、化粧に挑戦した時の写真をみんなに見せている。

僕はその様子を窓際の席でボーッと眺めるのだった。


各教科で宿題を提出し終わり、昼休みの時間。

相変わらず一人でお弁当を食べていると隣に渡さんが座る。


「お久しぶりですね、歩さん」


「あ...渡さん...お、お久しぶり...」


「夏休みはどうだった?」


「た、楽しかった...」


「私も、Monster talk Liveはもちろん見たよね?」


いきなりの質問に口に含んでいた卵焼きを吹き出しそうになる。

水と一緒に無理やり卵焼きを飲み込んで返事した。


「み、見たよ...!」


「いや〜、面白かったね」


「そうだね...」


「一期生、二期生のダンスも歌も凄かったし会場の盛り上がりが見てて気持ち良かった...

私も現地行きたいなぁ...」


何かを祈るように手を合わせ、遠くを見つめる渡さん。

僕は空になった弁当箱を鞄に片付けながら、話した。


「で、でも都会って大変そうじゃない...?」


「人混みとか?」


「そうそう...」


「私はそういったのも旅の醍醐味じゃないかなって思うタイプだね」


「そうなんだ、都会でも大丈夫そう...」


「だからといって抽選が当たるとは限らないんだよね〜...」


ジュースを飲みながら残念そうに語る。

その時、思い出したように渡さんが僕の方を見た。


「そういえば結構大きなイベントがあるじゃん!」


「あ、うん...そんな告知あったね」


「遂に大勢のVtuberが集まる時代になったのか...」


「六十人はすごく多いよね...」


「うんうん...私は狐狐ちゃんが心配で仕方ないよ...」


「そ...そうだね...ちゃんと話せるかな...」


僕は渡さんと話を合わせるが、今の言葉の最後に出たのは本音だ。


「まあ、イベントもオフコラボも乗り越えられた狐狐ちゃんなら大丈夫でしょ!」


「そう、だといいね...」


ちょうど良く昼休み終了のチャイムが鳴り、僕達は教室に戻っていく。

イベントを楽しみにしている視聴者とイベントに緊張している配信者が正反対の顔色でならんでいるのだった。

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