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前世がコミュ障男な僕がVtuberになれますか?  作者: カムカム
5章 コミュ障、イベントスタート!?
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49話 三期生カラオケ配信①

僕達はカラオケ配信をする事になり、マネージャーの葵さんに連絡した。

Monster Liveではいつカラオケ配信してもいいように、許可をいただいた曲のみが入った機種が事務所に存在する。

ということで、僕達は電車に乗りMonster Liveの事務所に向かっている。


「カラオケ久しぶりだな〜」


「恵ちゃん結構歌上手かったわよね」


「昔から歌うの好きだったからね」


「私も上手くなりたい」


「優里ちゃんは落ち着いた感じの曲が上手く歌えるんじゃないかしら?」


「そうかな...」


「って歩ちゃん?

どうしたのそんな深刻そうな顔しちゃって」


僕が窓の外を眺めていると恵ちゃんに話しかけられる。

その声で二人からも視線を感じた。

僕はため息混じりに話す。


「僕...音痴なんだよね...」


「そうなんだ、じゃあ今日の配信で練習しよっか!」


「で、でも...みんな上手い人の歌を聞きたいんじゃないかな...」


「何言ってるのよ、上手い下手関係なく推しが歌ってる所をみんな見たいのよ」


「うぅ...」


「一緒に歌おう」


三人からのキラキラした眼差しに押し負けてしまう。

僕は何の曲なら歌えるだろう、と脳内で歌詞の思い出せる曲を候補として上げていくのだった。




到着したのは都会のとある場所、僕達は葵さんにもらった許可証を受付で読み取る。

カードを機械に通すと機械音と共に扉が開いた。

その後は案内されるままカラオケ部屋に通されるのだった。


ここではモデルを動かしながら歌える設備が整っており、さすがVtuberの会社だなと感じる。

既に僕達のモデルが準備され席に座るだけでモデルを動かせる状態だ。

トイッターではすでに告知しており、配信待機場ではかなりの人数が配信が始まるのを待っている。


「それじゃ始めよう!」


「飲み物も準備したわね」




@九尾狐狐 Monster Live三期生

三期生オフカラオケ配信始まります...

歌苦手ですけど頑張りますね

♯狐狐ライブ

♯赤鬼ド狐


【オフコラボ】三期生でカラオケです!【九尾狐狐/鬼野鳴子/赤桶奈女々/ガシャ=ド=クロ】




室内に置かれたパソコンから配信開始のボタンを押す。

待機中の画面から僕達のモデルが並んだ画面へと切り替わった。

そしてモデルの横を爆速でコメントが流れていく。


「皆さんここにちは〜」


【ここにちは〜!】

【ここにちは〜】

【ここにちは!!】

【昨日はお疲れ様!】


「今日は狐狐ちゃんのチャンネルでオフカラオケ配信よ」


「昨日のイベントはお疲れ様、今日はいっぱい歌っていっぱい楽しもうね!」


「歌うぞ〜」


「じゃあ、私から歌おうかしらね」


鳴子ちゃんが歌う曲を決めていたのか、慣れた手つきで操作して曲を入れた。

入れられた曲は人気アーティストの元気になれる曲。

曲をあまり知らない僕でも分かるほど有名な曲で、鳴子ちゃんの声と相性が良い。

イントロが流れ、僕達は静かに歌を聴く。


【鳴子ちゃんうめぇ...】

【やっぱりいい声してるな】

【一曲目からレベル高いぞ】


メロディが徐々に小さくなり、曲が終了した。

僕達は拍手をして話し出す。


「鳴子ちゃん上手」


「やっぱり安定してるね〜」


「鳴子ちゃんの生歌凄い...」


【鳴子ちゃん上手い!】

【コメント忘れるくらい聞き入ってた...】

【狐狐ちゃん草】

【親の顔より見た同僚に限界化するオタク狐】

【次は誰なの?】


「次は私が歌おうかな!」


「奈女々ちゃんがんばれ」


「任せて!」


奈女々ちゃんが曲を入れた。

入れたのは歌うのが難しいと有名になった曲でカッコいい系の曲、コメントでも「これ歌うのか!?」とざわついていた。

だが、歌い始めた瞬間コメントが一気に湧く。


【うっっっっっっっまw】

【嘘だろw】

【何でこんな上手いwww】

【プロおるてw】

【声違いすぎだろw】


歌が終わり、僕達は自然と拍手をしていた。


「ふぅ〜、気持ちいね〜」


「また上手くなったわね」


「凄い...」


「奈女々ちゃん上手い...凄い...」


「ありがとね」


【上手かったなぁ...】

【普通にビビったw】


「奈女々ちゃんは歌上手いのよね」


「この後歌うの嫌...」


「分かるわ、その気持ち」


「コメントで聞いてみる?」


「誰が歌ってほしいかを聞くの?」


「そうそう」


【狐狐ちゃん】

【狐狐ちゃん】

【ドクロちゃん】

【狐狐ちゃん】

【ドクロちゃん】


僕とドクロちゃんの名前がコメント欄を埋め尽くす。

何故か僕の名前が多く見えた。


「これは...狐狐ちゃんね...」


「ぼ、僕か......」


「大丈夫?嫌なら私が歌うわよ?」


「うぅ...一曲だけなら...」


「分かったわ、無理しないでね」


「狐狐ちゃん頑張って」


僕はなんとか歌えそうな一曲を入れる。

コメントには楽しみというコメントが目立つが、僕は緊張でまともにコメントを読めなかった。

入れたのはカラオケに行ったら歌うであろう有名な曲、歌いやすさも相まってカラオケで歌われる曲の上位にランクインする曲だ。

イントロが始まり、僕の緊張はMAXになる。

歌詞が画面に出て、いざ歌い始めた。


【...狐狐ちゃん】

【が、がんばれ狐狐ちゃん...】

【あ...】

【頑張って...!】


僕は必死に歌って、どうにか一曲を歌い切った。

歌い方が下手なのか、喉が痛くなり咳き込んでしまう。


「ゲホッ...コホッ...」


「え、大丈夫!?狐狐ちゃん...」


「う、うん...歌うと喉痛くなるみたいで...」


【狐狐ちゃん声の出し方が苦手なのかな...】

【狐狐ちゃんお疲れ様...】

【単純に歌い慣れてなさそう】

【確かにカラオケ行かなそうだもんな...】


「とりあえず水飲んで喉休めてね」


「ごめんね、ありがとう...」


「私が次歌う」


「ドクロちゃん頑張れ!」


僕はみんなとコメントに励まされながら、ドクロちゃんの歌を聞く。

相変わらず歌が苦手すぎて、自分が嫌になって凹んでしまうのだった。

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[一言] カードを機械の通すと機械音と共に扉が開いた。 上記を誤字報告しました。意図したものでなければ修正をお願い致します。
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