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前世がコミュ障男な僕がVtuberになれますか?  作者: カムカム
5章 コミュ障、イベントスタート!?
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47話 イベント後の朝

前日の疲れからか起きると十時を過ぎていた。

周りを見ると恵ちゃん、優里ちゃんは寝ているが成美ちゃんの姿が見えない。

僕が布団から起き上がるとほぼ同時に部屋の扉がゆっくりと開かれる。


「あら、歩ちゃん起きたのね、おはよう」


「うん、おはよう」


「もしかして起こしてしまったかしら?」


「ううん、自分で目が覚めたから大丈夫だよ」


「良かったわ、気持ちよさそうに眠っていたから起こさないようにしてたから」


「あ、あんまり寝顔とかは見ないで欲しい...」


「うふふ、ごめんなさいね、可愛くてつい見ちゃうのよ」


他の二人を起こさないように小さな声で話す僕達。

成美ちゃんに真っ直ぐ「可愛い」と言われて顔が熱くなるのを感じる。

自分自身では美少女に転生したと自覚しているとはいえ、他人に言われるのは恥ずかしい。


「今日は特に用事を決めていないからゆっくりしてていいわよ」


「うん、ゆっくりしてる」


「あ、そうだ、先に朝ごはん食べる?」


成美ちゃんにそう問いかけられ、思い出したように空腹感を思い出した。

僕は成美ちゃんに甘えることにする。


「朝ごはんもらおうかな」


「分かったわ、少し待っててね」


そう言うと成美ちゃんはまた部屋を出て行った。

その時の扉の音か、僕達の会話で目が覚めたのかは分からないが、布団がモゾモゾと動く。

布団の方を見ると恵ちゃんが起き上がっていた。

何度見てもモデルさん顔負けの美人さんである。

そんな女性の無防備な寝起き姿に少しドキッとしつつも声をかけた。


「お、おはよう」


「ん〜?歩ちゃんもう起きてたんだ、おはよ〜」


目を擦り、あくびをする恵ちゃんがフラフラと立ち上がり僕の布団に近付いてくる。

その瞬間、覆い被されるように抱きつかれ大きな胸に僕の顔が埋まった。

僕は一瞬の出来事に脳の処理が追い付かず、数秒間固まってしまう。


「あぁ〜、歩ちゃんはかあいいね〜」


恵ちゃんの頬が僕の頭にグリグリと当たる。

僕はようやく我に帰り、恵ちゃんを押し返そうとするが身長差に加え力の差もありびくりとも動かない。


「ちょっと...恵ちゃん...!」


「かあいいね〜...」


「ちょ...!?頭嗅がないで!」


「いい匂いだよ〜?」


「匂いとかの問題じゃなくて...!!」


「う〜んかあいいね〜」


さすがに音を立て過ぎたのか、優里ちゃんも目を覚ます。

眠そうな表情で起き上がると、自然と抱き枕にされている僕と視線が合う。


「優里ちゃん...おはよう...」


「あ、優里ちゃんおはよ〜」


「おはよう、何やってるの?」


当然の質問である。


「歩ちゃん可愛いから抱き枕にしてるの」


「優里ちゃん...助けて...」


「ずるい、私も」


「え...?」


そう言うと優里ちゃんは僕の背後に周り抱きついて来た。

その結果、恵ちゃんと優里ちゃんにサンドイッチされる形になる。

女性ってこんなにスキンシップ激しいのか...!?

体を包む柔らかい感覚と髪から香る女性らしいシャンプーの香りで僕はまたフリーズしてしまうのだった。


なす術もなく抱き枕状態になっていると、トーストとジャムをお盆に乗せた成美ちゃんが扉を開けて入ってきた。

僕達の姿を見た成美ちゃんはお盆を机に置くと、無言で近付いてきて二人の頭に軽めのチョップを食らわせる。


「あいてっ」


「痛い...」


「はい、おはよう、これで起きたかしら?」


少し呆れたような声の成美ちゃん、二人は叩かれた頭を押さえながら僕から離れた。


「あ、朝ごはんありがとう...」


「毎回毎回ごめんね、嫌だったら嫌って言っていいのよ?」


「嫌じゃないもんね〜」


「はぁ...恵ちゃんは全く...」


「で、歩ちゃん、どうなの?」


「え...どうなのって?」


「私達に抱きつかれるの嫌?」


首を傾げながら可愛らしい表情で疑問を投げかける。

僕は今は女の子だが、元は男だ。

もちろん年頃の男だったのでそう言う欲が無いわけがない。

確かに驚いて固まってしまうけど、嫌な訳がないがそれを言ってしまうと気持ち悪いと思われるんじゃないか...

部屋に数秒の沈黙が流れた。


「黙ってるってことは嫌ってことじゃないんだ〜」


「え...!?あ...その...はい...」


「正直者」


「うぅ...やっぱり気持ち悪いと思うよね...」


「そんなことないよ〜私はどんな歩ちゃんでも大好きだよ〜!!」


また全身を覆うように抱き付かれる。


「む、胸が当たってるって...!!」


「反応が可愛いからつい押し当てちゃう」


「もっと体大切にして...!」


「歩ちゃんに心配してもらえた〜」


「いい加減にしなさい」


本日二度目のチョップが恵ちゃんの頭に入った。


「二人は朝ごはん食べるの?」


「うぅ...いただきます...」


「私も食べたい」


「はいはい、持ってくるから静かに待ってるのよ...」


成美ちゃんが念を押して二人の分のパンを取りに行った。

また抱き付かれるかと身構えていたが、さすがに怒られると思ったのか抱き付いては来なかった。




朝ごはんを食べ終わり、今日の用事を決めることになった。

前日のイベントと今日は休日であり、今日の夜はお疲れ様配信をする予定だ。

だがそれ以外にすることがなく、昨日のイベントの疲れで街を歩き回る元気もない。

そこで恵ちゃんが一つの提案をした。


「カラオケしてそれ配信しない?」


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― 新着の感想 ―
[一言] 面白いです。 良い物語をありがとうございます。
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