151話 冬休みの予定と後輩の悩み
今回は後半に少し汚い(?)お話が入ります。
TS特有の強みを書きたかったんです...
苦手な人は注意して読むことをお勧めします
(ストーリー的には前半部分だけ読めば問題ありません)
休日、僕は溜まったアーカイブを消費していた。
みんなの声を聞きながらダラダラする時間を楽しんでいると、三期生のシャベルグループにメッセージが届いた。
送り主は鳴子ちゃんだ。
『みんなこんにちは!
いきなりだけど、冬の予定はあるかしら?
空いていたらみんなで旅行なんてどうかなと思って連絡したの!
詳しい期間は決めてないのだけれど、みんなと遊びたいと思ってね』
そのメッセージを読んで僕は目を輝かせる。
配信しか予定のない僕は冬休みの予定は空きまくっているのだ。
すぐに返事を返す。
『僕はいけると思う!』
送った後に流石にがっつき過ぎたか...?と少し心配になった。
すると鳴子ちゃんから親指を立てたスタンプが送られた。
それを見て少し安心し、アーカイブに視線を戻す。
だが、脳内では三期生のみんなと遊んでいる時間を想像していた。
「楽しみだね〜?」
「えへへ...顔に出てた...?」
お昼ご飯をお母さんと食べていると、顔に出ていたのか突っ込まれた。
お母さんには冬休みにみんなと遊ぶことを伝えてある。
「そっか〜、歩も県外に行くことに躊躇いがなくなったね」
「ま、まだ慣れないけどね...」
「ずっと部屋に篭って推し活していた時を考えるとすごく成長したよね」
「そ、そうかなぁ...」
「どうする?初配信見る?」
「やめておく!ご馳走様でした!」
「はーい」
僕は逃げるように自室に戻っていく。
今日はドクロちゃんのホラゲ配信を明るいうちに見てしまう予定だ。
暗い時に見ると眠れなくなってしまう...
ドクロちゃんが淡々と話しながら敵の攻撃を軽々避けていく。
謎解きですら一瞬で解き、閉ざされた重い扉が音を立てて開く。
(やっぱりドクロちゃんは凄いなぁ...)
これで初見プレイなうえに最高難易度である。
今までの経験や培った技術がこのプレイを可能にしているのだろう。
おかげでドクロちゃんのホラゲ配信はそこまで怖くない。
チャプターが終わり、キリがいいのでドクロちゃんは配信を終えたみたいだ。
僕はドクロちゃんのアーカイブを閉じ、familyのみんなが揃って雑談配信しているアーカイブを再生する。
(4人が揃うとやっぱり良いな〜...)
絵柄も種族も違う4人だが、並ぶと一体感が生まれる。
誰かいる訳でもないが、この可愛い4人組は僕の後輩だぞ!と心の中で自慢してしまう。
配信は最近の出来事を雑談しているようだった。
配信者としてデビューしてから変わったことや少し大変なところを話している。
『おはよう投稿にいっぱい返事が来るのが嬉しいワン!』
『それ、凄くわかる...!』
『応援してもらってるって目に見えて分かるから嬉しいわよね〜』
『あたしも嬉しい!』
『元気もらえるって言うか、モチベーションが上がる』
『そうそう!頑張ろうってなるよね!』
みんな楽しそうに話す姿を見て自然と笑顔になる。
こういった楽しい雰囲気は大好きだ。
だが、ふとメアちゃんが少し低めの声で話し始めた。
『あたし実はちょっと困ったことがあるんだよね』
『どうしたの?』
ファリーさんが思わず優しく語りかけた。
もちろん僕も心配だ、だが内容は少し心当たりがあった。
『トイッターの個人メッセージに...その...
言って大丈夫かな...』
『あぁ...なんとなく分かった。
女性配信者特有の悩みのやつだよね?』
『あはは...稲香ちゃん分かっちゃった?』
『メアちゃんの困ってる投稿見て大体察したから』
『あ〜、男性のアレのことね〜』
『ファリーちゃん言っちゃったワン!?』
そう、自分の物を見せたがるおかしな人からの個人メッセージだ。
前世では話を聞いたことがある程度の認識だったが、配信者としてデビューした今無関係な話ではない。
個人メッセージはほぼ全員解放しており、誰でも送ることができる。
応援メッセージなども多く届き嬉しい反面、今回のようなおかしな人に絡まれてしまう。
(そういえば最近個人メッセージ確認してなかったかも)
そう思ってトイッターの個人メッセージを開く。
設定で通知を切っているので個人メッセージが届いても気付けない。
するとかなりの個人メッセージが届いていた。
ほとんどが応援メッセージで、嬉しい気持ちが溢れる。
そんな中、『画像が送信されました』と言う文字が...
(これは人生初の凸か...?)
女性配信者特有の悩みであるものに自分が直面していると思うと正直ワクワクした。
元男で温泉好きの僕は自分のを含め多くの物を見ている。
今更精神的なダメージは全くない。
それでも一応覚悟して画像が送られた個人メッセージを開いた。
若干の読み込みが発生し、画像が表示される。
そこには僕のグッズが並べられた机に婚姻届の紙が置かれた写真が貼られていた。
『狐狐ちゃんへ
あなたのおかげで人生の宝物に出会えました。
好きな配信者で狐狐ちゃんのことを話すと、彼女と意気投合してそのまま結婚まで進むことができました!
今後もオタクな夫婦として推します!
配信頑張って下さい!』
そんなメッセージが画像の前に送られていた。
(やさしいせかい...)
幸せな画像をアレと思っていた自分を恥じながら、心の中で祝福した。
前世から彼女の1人もいなかった僕は心のどこかがダメージを受けた気がした。
その後全部のメッセージに目を通していくと、やはり数枚発見された。
なんと言うか...僕は悲しい気持ちになる。
異性との出会いがないせいでここまでおかしくなってしまったのだろうと...
(とりあえず通報はしておいてっと...)
この人達が僕以外のみんなに画像を送らないとは限らないので通報する。
僕は大してダメージが無いが、他のみんなは不快な気持ちになるかもしれない。
この通報でアカウントが削除されると良いのだけど...
僕はメッセージの整理を終え、familyのみんなの声を聞いて気持ちを切り替えるのだった。
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