125話 MG杯決勝戦②
セカンドマップが始まる。
自分達のピックマップを落とし、次のマップを落とせば相手のマッチポイントだ。
しかもセカンドマップは相手がピックするマップ。
選ばれたのはエルフが苦手とする遮蔽物の多いマップ。
索敵矢は強力だが、索敵は壁を貫通しない。
遮蔽物が多いほど見れる範囲が限られるのだ。
「これまずいかもしらんな!」
「他人事すぎだろ...」
「ここ取りたいね〜」
「狐狐ちゃんはこのマップでエルフ使ってたよね?」
「う、うん...索敵範囲限られるからあまり強くないけど」
「使えそう?」
「エルフでここまでやってきたし、頑張ってみる...!」
「よっしゃ、そうと決まればいつものチームここからでぶつかるぞ!」
キャラ選択は小豆さんがスモーク、椿さんが前衛、ニコさんがエリアコントロール、ローバーさんがテイマーで僕がエルフを使用し索敵をする。
僕が見れない範囲をローバーさんがカバーする感じだ。
ファーストラウンド、僕達はアタッカーからのスタートだ。
僕はダメージ矢のとある定点を試すために準備を進める。
「最初Aサイトのここにダメージ矢落としてみるね」
Aサイトの奥にある遮蔽物の裏にピンを打ち、みんなに共有する。
「そこ撃てるの?」
「結構覗く人多いから定点覚えてきた...!」
「ナイスすぎるな〜それ」
「数人でAサイトを守る際にその場所で覗いて来る人見かけますね」
「これで索敵届かないところはここだから、そこはカバーして欲しい」
Aサイトには中央に幅広い建物があり、索敵が届かない。
その部分にはローバーさんがテイマーのスキルで見てくれる。
最初の作戦も決まり、カウントダウンも残りわずか。
僕達はAサイトに向かって攻めていく。
ラウンドが始まると僕達が進んでいく通路の先に敵が一瞬だけ顔を出して情報を取ってきた。
つばロバの2人が見られたがこちらはラッシュなので関係ない。
「よっしゃいくぜぇ!」
「お前えぐいって!」
「これ決戦だよ!?」
椿さんが強引なエントリー、それとほぼ同時に僕のダメージ矢と索敵矢がサイトに届いた。
僕のダメージ矢は隠れていた1人を仕留め、索敵矢は高台でサイトを見る敵が1人映し出された。
ローバーさんのスキルのカバーも手厚く、僕達は裏を警戒するニコさんを残して4人でサイトに入り込んだ。
「ナイス!?」
「マタやったよこの狐!」
「すっげw」
「ま、まだ爆弾設置もできてないよ!」
「スモーク炊いてるから設置いけるからね!」
小豆さんが高台とディフェンダーサイドの入り口にスモークを炊き、敵の侵入を阻止する。
スキルが飛んでこないところを見るにリテイクだろう。
爆弾設置が完了し、各自カバーに入れる位置に隠れる。
「スキルきたらカウンターするぞ」
「それに合わせて顔出すわ」
「裏は問題ありません」
「スモークはあと一個だけど今クールタイム!」
「スモーク切れたら多分撃ち合いになるな」
少し真剣モードになった雰囲気、だがこの雰囲気にどこか安心感を覚える。
爆発までの時間が迫る中、小豆さんのスモークが切れる瞬間相手のスキルがサイト内に放たれた。
入ってくるというタイミングで椿さんがスモーク抜きで1人を倒す。
だがスモークが無くなり高台にいる敵が椿さんを倒す、その敵は小豆さんがカバーし人数差は4:2。
ニコさんは罠を設置してサイトのカバーに来てくれる。
キルログが立て続けに流れ、一瞬でも気を抜けば負ける雰囲気が漂う。
残り2人になったというのに負けるかもしれないというプレッシャーを感じる。
「裏来てます」
「あと1人は分からん!」
爆発までもう少し、解除させなければ勝てるという場面。
キルをする動きではなく、耐久する動きが1番いいだろう。
その時サイト内に敵のスキルが飛んできた。
それと同時に敵2人がサイトを挟み込むように入ってくる。
ニコさんはスキルを当てられ倒されてしまう。
僕がニコさんの近くにいたのでその敵を狙うが、相手が一度横に動いて撃ち直しをする。
狙いをずらされ、エイム力の差で僕も倒されてしまう。
人数差が無くなり、ローバーさんと小豆さんだけになってしまった。
小豆さんが凄まじい速度でサイトにスモークを炊いた。
「インスモークで時間稼ぐね!」
スモークがあると敵の位置が分からず、闇雲に打てば弾道で場所がバレる上にリロードしてしまえば無防備になる。
自分も敵の位置を把握できず、そのスモーク内しかエリアが取れていない状態なので本当の最終手段だ。
そこでローバーさんが1人落とすがカバーで倒される。
爆発までの残り時間も僅か、小豆さんがスモーク内にいることはバレており敵もローバーさんの情報で居場所がバレている。
相手が一瞬解除音を鳴らし、小豆さんをスモークから出そうとする。
ガチ解除か誘っているか分からない場面、小豆さんはハーフ直前でスモークから飛び出た。
だが相手は解除音を鳴らしただけで解除はしていなかった。
爆弾と反対側にいた敵に頭を抜かれて小豆さんも倒されてしまう。
「うっわごめん!」
「ナイストライ!間に合わないんじゃない?」
「これ間に合わないと思う」
僕達の願い虚しく、爆弾は解除されてしまった。
残り0.1秒で爆発していた...
「私が駆け引き強ければ〜...!!」
「しゃーないしゃーない!」
「あそこでハーフ持って行かない敵が上手かったな...」
「な、ナイストライ...!」
「次削りましょう」
ファーストラウンドを落とし、セカンドラウンドはエコラウンドになってしまう。
僕達はスキルだけを買い、セカンドラウンドに備えた。
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