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前世がコミュ障男な僕がVtuberになれますか?  作者: カムカム
10章 コミュ障、戦場に行く!?
121/158

120話 MG杯下トーナメント二回戦②

ラウンドは進み、4:6で攻守交代となった。

攻めが有利と言われるマップで約半分のラウンドを防衛サイドで取ることができた。

攻守交代後のファーストラウンドが取れればかなり大きなラウンドになることは確かだろう。


「行くぞ〜!」


「おー!」


「おー」


「が、頑張ろう!」


「調子は良いですからこのまま勝ちに行きたいですね」


「コノマップ取れたらデカいね?」


「Aラッシュ行ってみるか!」


僕の索敵矢でサイトのクリアリング、椿さん達が前線でサイトまでの道をクリアリングする。

そのまま設置して後は守る作戦で行く。

カウントダウンの後ファーストラウンドが始まった。


足音なんて気にせず最速でAサイトに向かう椿さん。

その後ろをニコさん以外で追う。

ニコさんは罠を設置してそのまま裏警戒だ。


「はい角待ちやりぃ!」


入り口の角に待っていた敵を椿さんが走りながら撃ち抜いた。

止まらないと真っ直ぐ弾が飛ばないゲームな為、走りながら撃ってヘッドショットは犯罪と言われている。

だが、今日に至ってはゲームも僕達のチームに味方しているように感じた。


「サイト内1人!奥に隠れました!」


僕は得意のサイト内を索敵できる場所へ矢を刺した。

障害物があれば索敵には映らないが、逃げるのが少し遅れたのか1人の姿が映る。

逃げ道のないサイト奥に隠れた敵を椿さんは逃さない。


「2人目!」


「ナイス!設置しちゃうね!」


「おっけ見ておく」


「裏は足音もないですね」


「人数差あるしニコさんはそのまま裏警戒で!」


「了解です」


小豆さんが爆弾を設置し、つばロバの2人がディフェンダーサイドの入り口を見る。

小豆さんはサイトから出て外で敵が来るのを待ち構える。


「スモーク来た」


「足音すっごい」


「裏1人やりました」


「でっか!ナイス!」


「じゃあ後ディフェンダー側に2人だ」


2人分の足音が聞こえていたのか、相手の居場所が全て分かった。

裏に来ないことが分かったのでニコさんもサイトに合流する。


この状況で負ける要素はなく、サイトに入ってきた2人がつばロバの2人に撃ち抜かれ、ファーストラウンドを取得することができた。


「ナイス〜!」


「ラッシュ刺さったなぁ」


「相変わらず強引なのに強いですね」


「もう任せてよ!ニコさんも裏倒せるのめっちゃデカかったぞ!」


「それが私の役割なので」


「ミンナナイスだよ〜」


誰も倒されない最高のファーストラウンド、ラウンド差も1となり相手は魔力がない。

このまま追いつくことができるはずだ。

マウスを握りなおし、セカンドラウンドへ進む。




「よっしゃナイス〜!」


椿さんの声が響き渡る。

ラウンド数は10:8。

逆転してマッチポイントにたどり着くがやはり相手もそう簡単に勝たせてはくれない。


相手は節約していたラウンドだったので、僕達がマッチポイントのラウンドで強い武器を買ってくるだろう。


「ラスト1ラウンド取るぞ」


「もちろんよ〜!」


「1マップ目取りましょう」


「任せてよ!」


「取ろう...!」


「イケるよー」


ここで負ければ今度は僕達が魔力不足となり強い武器が買えなくなる。

そうなれば延長戦にもつれ込むのは確実だろう。

このラウンドが1マップ目の運命を分ける。

背中に流れた汗が服に吸われていく感覚が伝わってきた。


今回僕はAサイトを守っており、攻めやすいAサイトに索敵矢を使う作戦で行く。

いつ使おうかと索敵矢を構えていた時、凄まじい足音が聞こえてきた。


「Aラッシュ!」


僕は構えていた索敵矢を打たず、サイトから出る。

小豆さんのスモーク、ニコさんのダメージフィールドが展開されラッシュを抑えるが相手はスキルを使用して強引に入ってきた。

僕は索敵矢を急いで打ち、サイト内の情報を取る。


「全員入ってきてる!?」


小豆さんがそう言いながら倒されてしまった。

サイトを上部から見下ろせる高台にいたが、相手のエイムが噛み合ってしまったようだ。

僕は索敵して居場所がわかった敵を撃つ。

一応壁抜きできる障害物なので壁抜きできないか試して見た。


「A設置!」


設置音が聞こえたので報告した。

既に索敵矢で全員がAにいることが分かったので、こちらもニコさん以外Aに集合する。

ニコさんは音を立てないように裏から回り込むのだ。


僕は定点で覚えた設置阻止のダメージ矢を放つ。

大体設置する位置へ落ちるダメージ矢で少しでもHPを削ろうと思ったのだ。

ダメージ矢が設置場所へ落ちた瞬間、キルした時に流れる音がいくつか重なって聞こえた。


「ダメージ矢3キル!?」


「うそ、えぇ!?」


「ナイスゥ!?」


「天才がおるって!」


「それは流石に強過ぎますね」


「ナニソレ!?」


「な、なんか刺さってしまった...」


この試合初めて見せるダメージ矢だったのでまさかここにくるとは思わなかったのだろう。

しかしここまで綺麗に刺さるとは思ってもいなかった。

残った2人を4人で囲む、相手は爆弾を設置しなければ勝てないがその爆弾は3人で守るサイト内に落ちてしまっている。

どうにか拾って別の場所へ向かおうとしても...


「2人ともやりました」


ニコさんが裏から詰めてきている。

画面はスローモーションになり、『WIN』の文字が表示された。

第1マップは僕達のチームが取得、第2マップ前に10分の休憩が入る。


「狐狐ちゃん最後のなに!?」


「えっと、一応設置妨害で打ったダメージ矢だったんだけど...3人倒せた...」


「ヤバすぎる...w」


「動画で勉強したの?」


「このダメージ矢はオリジナル...

他の定点はあったけど、設置されるまでに間に合わなそうだったから...」


「もう狐狐ちゃんプロになれ...」


「で、でも僕撃ち合いずっと負けてるよ...」


「このゲームキル数じゃないのよ狐狐ちゃん」


「もちろんキルも大事だけど、キルを取ってもらうのも大事なわけさ」


「狐狐ちゃんの索敵矢と使い魔でどんだけ敵の位置把握できたと思ってんのよー」


「あ、ありがとう...」


「もっと自信持って良いと思うぞ!

撃ち合いに勝てない時あっても俺らが狐狐ちゃんの分キルしていくから!」


「分かった...!」


「それじゃ、セカンドマップも取ってストレート勝ちしようか!」


僕は撃ち合いで負ける度に罪悪感があった。

でも、椿さんやみんなにそう言われ自然とその気持ちが薄れていった。

僕は僕にできることを全力でやる。

第2マップ、絶対に取ってみせるんだ。

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[一言] やり矢がったなあ天才狐
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