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前世がコミュ障男な僕がVtuberになれますか?  作者: カムカム
10章 コミュ障、戦場に行く!?
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114話 MG杯初戦②

第2ラウンドが始まる。

ファーストラウンドを取ったことで強い武器を買うことができ、逆に相手は魔力がなく武器を買うことができない。

ファーストラウンドを落とした後に少ない魔力で武器を無理買いする作戦もあるが、今回はその可能性は低いだろう。


スキルを使ってエントリーしてくる相手だが武器の差は大きく、僕達は第2ラウンドも取得することができた。

一番の問題は第3ラウンドだ。

相手は第2ラウンドを節約したことで魔力があり、僕達が今持っている武器よりも強い武器を買うことができる。

つまりこのラウンドを取ればかなり有利に試合を進めることができるのだ。


「このまま3ラウンド取ろうか〜!」


「取っちゃおう!」


「防衛側で出来る限り稼いでおきたいですね」


「僕今回はBに行くね」


「俺A側見てるから」


「了解!スモークは両方の入り口に炊く準備してるよ!」


「武器差あるから数人で1人を相手してこ」


「そうだな」


第3ラウンドが始まる。

入り口の近くで待機しているが足音が聞こえない。

静かに進行してきているのだろうか...

中央を見ているニコさんの方も敵の姿が確認できていない。


武器が有利なのは逆に言えば逆転される危険がある。

倒されてしまうと武器を落とす、その武器を相手に取られてしまうことで相手は魔力を消費せず強い武器を手に入れることができるのだ。

なので相手はゆっくりとエリアをコントロールしているのかもしれない。


「武器差あるから詰められねぇ...」


「だな、あんまり前出るなよ」


「足音聞こえないのは怖いね...」


「索敵矢はまだ温存するね」


「中央も全く敵の気配がないですね」


次の瞬間、Aサイトに相手の索敵矢が飛んできた。

サイト内をクリアリングする索敵矢、動画でもかなり強力だと言われている。


「Aラッシュだ!」


ローバーさんが索敵矢が索敵をする前に破壊することができたが、エントリーしてきたドラゴンに撃ち抜かれてしまう。

一緒にサイトを守っていた小豆さんがカバーしようとするも、スモークによって射線を切られてしまった。

相手はそのまま爆弾を設置する。


「A設置!」


「狐狐さんAに寄ってください、中央には私の罠があるので」


「分かった、索敵矢でリテイクしよう!」


「了解!」


「その時スモーク炊くよ!」


相手のスモークが晴れる。


「いくよ、せーのっ!」


僕がリテイク用の索敵矢を撃つ。

それと同時に小豆さんが入り口と中央からAサイトへ続く通路にスモークを炊き、僕達4人でサイトへ入る。

索敵矢が壊される前に索敵が行われた。

サイト内に隠れている敵が見つかる。


「入り口見てる!」


「サイト1!全員で囲むぞ」


椿さんとニコさんが角に隠れていたドラゴンを追い詰める。

だが、さすがリーダーを務めるスターさん。

倒される前にニコさんを撃ち抜いていった。


「ナイスです」


「おっけ、武器拾えた狐狐ちゃん解除入って良いよ」


「了解!多分ダメージ矢来るからハーフまで行くね」


爆弾解除はメーターがMAXまで行けば解除成功となる。

そのメーターの半分まで行くと、一度解除の手を離しても半分から再開できる。

なので、半分まで解除できれば勝てる確率がかなり上がるのだ。


僕が爆弾に触れた瞬間、スモークを炊いていた入り口から敵が2人同時に姿を見せる。

いくら警戒していたとは言え、武器の差と2人同時の射撃で椿さんと僕が倒されてしまう。


「マジか...40カット」


「ごめん...0」


「おっけ〜...頑張って削るよ!」


小豆さんが残ったスモークをサイト内に炊き、スモーク内に入る。

相手視点では小豆さんの姿が見えなかっただろう。

だが、残り時間や最後に見た位置、立ち回りで読まれたのかスモーク内にいる小豆さんに弾が浴びせられる。


「ダメか〜ごめん...!」


「ナイストライよナイストライ!」


「1人落とせて1人は削りましたよね。

まずまずのラウンドではないでしょうか」


「うんうん、上出来だね!」


「ナイストライ...!」


「次よ次!」


ラウンドは取られてしまったが、雰囲気は明るい。

こういったゲームはメンタルも大きく関係してくる。

雰囲気が悪くならないのはかなり大きな武器になるのだ。


4ラウンド目、相手は4個の強力な武器を持ち僕達は前回のラウンドで魔力を節約しているので、5本の武器がある。

武器状況は僕達が若干有利だ。


「相手スモーク炊いたらエントリーの合図だからカウンタースキルで対応しようか」


「そうだな」


「じゃあ私スモーク炊かれたら入り口にスモーク炊いてカバーできないようにするね!」


「ぼ、僕も索敵矢と使い魔の索敵でカウンターする」


「ただ、どちらに攻めてくるかですよね...」


「それなんだよなぁ...

狐狐ちゃん、最初アタッカーサイドに索敵矢打てる?」


「あ、うん、打てるよ」


「さすが!相手がどっち攻めるかを索敵してみよ。

もし俺が見てるBに来てなかったら逆に詰めるわ」


「了解、武器回収されないようにな」


「任せろ!」


第4ラウンドが始まる。

僕はBサイトからB側のアタッカーサイドに索敵矢を打つ。

索敵矢は壊されることなく、索敵にも敵は映らなかった。


「俺Bから裏取る」


「Aはまだスモーク来てないよ〜」


「これ索敵矢から詰めるの読んでる説ないか?」


「だな、ちゃんとクリアリングしてから行くわ」


「中央A側にエルフいました!」


「じゃあA側だ」


その時椿さんが倒された。

やはり読まれていたのか角待ちされていたみたいだ。


「うっわごめん、天使が角待ちしてる...」


「Aスモーク来た!」


「ワンピック取って来るのかよ...」


「相手の索敵矢は壊しました」


「ドラゴン入ってる!!」


先程と同じ攻め方でサイトに入って来る。

小豆さんがスモークを返してカバーの射線を切り、ニコさんのダメージフィールドを入り口に展開する。

だが、なだれ込む勢いは止まらずダメージを受けながら相手がサイトへ入って来る。


その勢いを止められることができず、一人一人と打ち倒されてしまい4ラウンドを落としてしまった。

魔力も足りなくなり、次のラウンドはエコラウンドとなる。

武器が完全に揃っている相手に微妙な武器を買っても負けるのが目に見えているので、節約し次の次に賭ける。


「大丈夫よ!こっからなんだから!」


「そうですね、一回全員近くで待ち構えてみますか?

エコラウンドなので小型の拡散弾で角待ちしても良さそうですね」


「それで行こう!」


「角待ち戦隊だね!」


「っしゃ流れ星の全員この道こいやぁ!」


「お前それは怖いってw

んで小豆さんも反対側で構えんなってw」


「両サイドで挟み込んでやるぜ」


「来た人全員に穴あけて見せるよ〜?」


「お、恐ろしい存在を生み出してしまったみたいですね...」


重要なラウンドを落としてしまった後でも、楽しい雰囲気がチームを包む。

僕も今の状況も忘れて笑ってしまった。

読んでいただきありがとうございます!

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