112話 チーム練習期間
練習試合期間が終了した。
チームここからは4勝4敗とまずまずな戦績を残すことができた。
まだそのチームも発展途上といった感じで、本番はどうなるか全く分からない。
本番までの間は休み兼チーム練習期間になる。
数日間練習配信をして本番に挑む。
僕は配信準備を整えてファンボを起動した。
待機場には既に多くの人が集まり、配信が始まるのを待っている。
【MG杯練習】チームここから!練習するぞ!【椿/ローバー/ニコ・ウラナ/小粒小豆/九尾狐狐】配信中
@九尾狐狐 Monster Live三期生
チーム練習期間スタートです
優勝目指して練習します!
♯狐狐ライブ
♯MG杯練習
ここからのサーバーにみんなが集まり、ライトさんのアドバイスを聞きながら練習していく。
今はニコさんの使う呪術師の罠設置箇所を考えているところだ。
「ココに置くと壊されにくいね?」
「なるほど...」
2人が真剣に話している中、退屈なのかつばロバの2人と小豆さんがふざけ始める。
「......w」
「ふふ...w」
「あっは...w」
気になって見に行くとエルフの索敵矢を小豆さんのキャラの股間に刺してふざけていた。
敵チームのキャラには当たり判定があり、索敵矢が刺さるのだ。
あまりのしょうもなさについ笑ってしまう。
「ふっ...w」
「あ、狐狐ちゃんw」
「狐狐ちゃん今笑ったね?w」
「あ、いや、なんか男特有のノリだなって」
「光輝いてるでしょ?」
「小豆さんそれはやばい」
「この中に狐狐ちゃん入るのまっずい気がしてきたぞ...」
「僕下ネタ大丈夫だよ、一応」
「配信でもなんかそんなこと言ってたね〜」
「どうぞ、続けて...」
「どうぞ続けて!?」
「椿君もう一回これ刺して...後ろ向いて?」
「お、おう」
後ろを向いた椿さんのキャラの背後に索敵矢を刺した小豆さんのキャラが近づき...
「ばかばかばかばか」
練習して身についたエイム力を遺憾なく発揮し小豆さんのキャラをヘッドショットで撃ち抜く。
「あっはっはっはw」
「えぐいってw」
「小豆さんそれはライン超えてるって...w」
【ノリエッグいw】
【男子校かな?】
【流石の狐狐ちゃんもこれにはストップかけたなw】
【ってかやっぱ狐狐ちゃんのエイム上手くなりすぎw】
【小豆さんもしかして男だったりする?w】
【↑しっかり男やぞw】
そこで騒ぎを聞きつけたライトさんが僕達の方に近付いてくる。
「オマエら何やってるー?」
「あ、いえ、特に何にもしておりませんよ?」
「さーせん」
「すみませ〜ん...w」
「あーあー...」
「また変なことしてたんですか?」
【はい、お説教です】
【先生来たぁw】
【だから静かにしてろって言ったのに〜w】
【こーれ反省文確定です】
少しのお説教タイムが終わり、今度は僕の索敵矢の練習をする。
と言っても僕は全マップの定点を覚えたので、どんなシチュエーションで撃つかのアドバイスをもらう。
「狐狐ちゃんエイムの成長速度エグくない?」
「定点も全マップ撃てるんだよね?」
「いろいろ研究したからね」
「狐狐さん無理はしないでくださいね?
全マップの定点覚えるって相当な情報量ですよ?」
「目印とかをメモして付箋に書いてるから丸暗記したわけじゃないから大丈夫!」
「だとしてもだよ...」
「ね、狐狐ちゃんの研究力すっごい」
みんなに褒められて思わずニヤついてしまう。
こういう時頑張ってよかったと思える。
「ココちゃんその索敵強いね」
「この索敵矢は相手がエントリーしてきて撃つのがいいのかな」
「コレは相手がエントリースキル使ってきた時がいいね。
スモーク使った時とかフラッシュ使った時」
「なるほど...」
「コノ索敵矢あるだけで入りにくいし、入り口にスモークあるともっと入りにくいね」
「じゃあ私と狐狐ちゃんのコンビネーションだね!」
「そうだね!」
「2人がタイミング合わせたら、絶対エントリー止まるカラ最強」
僕が撃てる索敵矢を全て確認してもらうと、ライトさんが一つ一つ撃つタイミングを教えてもらった。
ついでにダメージ矢の定点も少し教えてもらったが、ダメージ矢は相手の設置タイミングに撃つのがいいらしい。
各自のスキル確認が終わり、次はエントリーのスキル合わせの練習をすることになった。
そのタイミングでキャラクターの変更を行う。
「ツバキはドラゴンで確定、ローバーは亡霊やめて天使にしようか?」
「俺天使行く?」
「天使いたら設置も通しやすいしヒールあるし」
「アタッカーは俺が責任持つわ」
「おっけー、天使任せてくれ」
「ローバー君天使使えるの?」
「俺結構使えるぞ」
「ヨシじゃあやってみよう」
Aサイトに全員集まり、エントリー練習をする。
作戦は小豆さんが相手が顔を覗かせる場所にスモークを炊き、僕がサイト内全域を見る索敵矢を放ち、椿さんがサイト内に短時間のスモークを利用してエントリー。
それに合わせて全員でサイトに入っていく作戦だ。
「狐狐ちゃんと小豆さんは準備いい?」
「大丈夫!」
「私も大丈夫だよ!」
「いくぞ、3、2、1!」
その合図で僕は索敵矢を放つ。
小豆さんがスモークを炊いた瞬間、椿さんがサイトに入っていく。
ワンテンポずらして僕達もサイトに入る。
「オォ、いいんじゃない?」
「初めてにしては結構タイミングぴったりじゃない?」
「あとは相手のスキルをどう返すかだよね〜...」
「とりあえず裏はニコさんの罠があるから大丈夫でしょ?
スモークからフラッシュ使って顔出してくるかもしれんな...」
「それなら私がダメージフィールドで止めることができますよ」
「マジで...?」
「はい、ワタシも定点を覚えてきたので」
そう言うとニコさんはダメージフィールドを起動できるスキルをサイトに向かって投げる。
放物線を描きそのスキルは相手がサイトに入ってくる入り口に落ちた。
起動すると入り口を塞ぐようにダメージフィールドが展開される。
「うわすっげ」
「これならだいぶ遅延できるな」
「設置位置にも落とすことができますよ」
「これ全員エントリーじゃなくて、ニコさんには裏見てもらった方がいいかもしれんな」
「それが良いと思うよ!」
「ソウダネ、ニコさんは裏を見ながらダメージフィールドで相手の進行阻止だね」
「はい、了解しました」
「んじゃもう一回やってみようか!」
何度かエントリー練習を行い、流れを掴んだ。
リテイクの練習や設置後の練習も行った。
そうしていくうちに上手くいけば優勝も狙えるんじゃないかと思えるほど完成度が上がったように感じる。
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