第22話 2ndダンジョン Ⅵ
【経験値490を獲得しました。閃光の最終旋律のLVが1から4に上がりました。】
そんなアナウンスがボディコンソールに表示される。
さすが中層階の敵。
一気にレベルが上がったな。
LV10までいけば、星4の武器も扱えるようになるから。
ひとまず、そこまで頑張ってエネミーを倒しちゃおう。
(というか、コメントの量すごい・・・)
戦闘中にもさらに同接数が伸びたみたい。
「えっと、こんな感じでこれからエネミーをばんばん倒しちゃいたいと思いますんで。しばしの間、お付き合いいただけると嬉しいです」
:オッケー
:どんどん行こう
:これは期待しかない
:すげえなおいw
:推せるわ
:がんばれ~
[公式]夜ノ美月:はじめまして、エデンさん。ハロライブ所属の夜ノ美月です。配信の途中から見てました。
ん?
同業者の人かな。
:えww
:よるのん登場ww
:急にどした?
:いきなりすぎて吹くわw
:委員長おるやんw
:よるのんww
:どこにでも現れるねこの人
:暇やなぁ
:クソワロタww
「はじめまして。個人勢ダンチューバーの閃光の最終旋律です」
ぺこりと頭を下げる。
[公式]夜ノ美月:配信を見てて少し気になったのでコメントさせていただきます。あなたは、スキルなどという特殊な能力をお持ちなようですが、この件はきちんと探索者クランに報告しましたか? 本来、スタイルを変えたり、武器を書き換えたりはできないはずです。どのようにして、このスキルという力を手に入れましたか?
「え、スキルって皆さん持ってないんですか?」
:やっぱり自覚なかったか
:だろうな
:そうだろうと思ったw
:エデンってコミュ障ぽくね?
:無自覚ww
:さすがによるのん邪魔だわ
:クランにいちいち報告せんでもええやん
:どうでもよくて草
:委員長ぉ~~♪
:あいかわらずの杞憂っぷりw
:公式の文字がウザいw
どうやら有名な人みたい。
(実はほかのダンチューバーの方の配信って、ほとんど見たことないんだよね)
リライトみたいな異能って。
ダンジョンに潜ってる探索者なら、ふつうに使えるものだって思ってたけど。
違ったのかな?
◇◇◇
そのあと。
コメント欄がすごく盛り上がってしまって。
流れが早くて、読み切れなくなってしまった。
エネミーも途中から現れたりで。
門限も迫ってたから、僕は敵を倒すことに集中。
結局。
話はうやむやのまま。
地下17階のエネミーを殲滅したところで、タイムアップ。
「すみません、妹が待ってるので本日はこのあたりで。皆さん、最後までご視聴いただきありがとうございました」
:おつー
:今日もなかなか面白かった
:妹いるの!?
:羨ましいw
:妹ええな
:よかったよー
:楽しかった
:お疲れ!
:次の配信も楽しみにしてる
:よるのん消えたw
:なかなか面白い配信だと思います
:ワデアの彼氏とかどーでもよくなってきたw
:俄然エデンに興味出てきたわ
:お疲れさまでした~
:またなお前ら
リスナーさんはほんと温かいな。
深々と頭を下げると。
僕はこの日の配信を切り上げた。




